「大味な映画でしたけど、ビン・ディーゼルらしくてこれはこれで楽しめる」トリプルX スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
大味な映画でしたけど、ビン・ディーゼルらしくてこれはこれで楽しめる
ストーリーはスパイ物の王道、と言うか確かに公開時から言われている通りアメリカ版007(パロディ風味)って感じで、正直新鮮味には欠ける話でしたが、まあビン・ディーゼルの魅力込みで普通に楽しめるアクション映画には仕上がっていたでしょうか。
アクションシーンのありえなさ、都合の良さも、ビン・ディーゼルなら不思議と許せます、とにかくカッコ良い、でも顔は意外と可愛らしい顔してるんですよね(笑)
さすがにCG丸分かりな辺りは時代を感じさせますが、しかしエクストリームスポーツ・アクションやド派手な爆破シーン等、アクション部分に関しては一見の価値有り、英国の007と違っていかにもアメリカ的と思える作風も、これはこれでその辺りを突っ込みながら見れて楽しかったです、スタイリッシュさに欠けるところがある意味この映画の味なのかも。
それにしても、冒頭のシーンからして007っぽい、と思ったら・・・これはおバカ映画ですよと宣言するような、何とも印象深いオープニングシーンで、意外とツボでした。
悪人をスパイとして起用する辺りもいかにもアメリカ的、ベタ中のベタで本当に新鮮味は無いんですが、何も考えずにアクションに集中できると言う意味では、良い意味で中身スッカスカなスパイ映画でしたね。
でも殺人鬼とか、そう言う悪人ではなく、今で言うちょっとタチの悪いユーチューバー的な悪人を主人公にする辺りはやや微妙だったか。
まあ善人臭漂うヤンチャ坊主なビン・ディーゼルには、ピッタリの設定でしたけどね。
一方マートン・ソーカス率いるテロリスト集団は、最初は雰囲気あって盛り上がりそうだったんですけどね、終盤はいくらなんでもトーンダウンしすぎだったような?それと彼らの目的が何か微妙・・・。
こんなテロリスト集団なら、あのアーシア・アルジェントが演じたビッチなヒロインの話をもっと広げた方が、話的には盛り上がった気もするのですが。
しかしアーシアとビンの展開も、モロ007な感じでしたね、でも007とは違って上質じゃないビッチ感は、この作風に合っていて何気に良かったと思いましたよ、だけにアーシアの話をもっと広げて欲しかった・・・。
それにしてもクライマックスのシーンは、画的にショボかったですねぇ。
考えてみれば前半のエージェントの試験のシーンが画的には一番派手だったか、でも理科の実験をしているようなクライマックスのシーンも、ある意味ツボではありましたけど。
しかし上司役のサミュエル・L・ジャクソンは安定の演技、いい味出してました、007のQっぽい人もナイスキャラ、ダニー・トレホもチョイ役でしたけどおいしい役どころでした。
まあ大味な映画ではありましたけど、ビン・ディーゼルっぽくて、これはこれでそれなりに楽しく見れましたかね。