トリプルX : 映画評論・批評
2002年10月15日更新
2002年10月26日より日劇3ほか全国東宝洋画系にてロードショー
バッドボーイの国際諜報員が大暴走!
傑作SF「ピッチブラック」でもタフなアンチヒーローを演じて大注目のビン・ディーゼルが、ついにその牡的魅力を暴走させた「トリプルX」。昨年のスマッシュ・ヒット作「ワイルド・スピード」のロブ・コーエン監督と再び組み、このスキンヘッド・コンビが誕生させたのは、バッドボーイのスパイ・ヒーロー。しかも、ヒロインが、イタリアン・ホラーの親分ダリオ・アルジェントの娘で、スキャンダラスな話題に事欠かないアーシア・アルジェントという、強烈なフェロモン・キャスティングだから尋常じゃない。
東欧のテロリスト・グループの諜報活動でジェームズ・ボンド的エリート・スパイは次々殺され、業を煮やした米国家安全保障局は「ワルにはワルを」と方針大転換。犯罪者を敵地に送り込む選抜試験(!)で、ダメモトの新人スパイにリクルートされたのが、危険なゲームに命を賭ける反逆児ザンダー(ディーゼル)。襟首のタトゥーにちなみ、コードネームはトリプルX(フツーは、ハードコア・ポルノを指す語)……という設定で、あとはやりたい放題。空に地に、雪山に水中に、これでもかこれでもかと活劇シーンが詰め込まれ、これで満足できなきゃ、おかしい。
(高橋良平)