「やっつけ仕事」宇宙戦争 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
やっつけ仕事
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古い宇宙戦争を観直したついでに観直してみました。つくづくスピルバーグ作品らしからぬつくりに失望を禁じ得ません。
ストーリーを逃避行に変えハラハラドキドキのハンデのために難しい年頃の子供連れにしたとしか思えません。身重の前妻から預かるくだりから父子は反目し合っていて不自然です。これもラストでの、めでたしめでたしあっての仕込みでしょう。地球侵略規模でありながら視点は終始父子周辺、偶然居合わせたテレビクルーが状況を語るだけとは端折りすぎ。通信途絶のはずなのに大阪でレジスタンスが2体倒したとの怪情報、妖しい男のセリフは明らかな日本向けリップサービスでしょう。
ET、未知との遭遇とあえて友好的エイリアンを貫いてきたスピルバーグ監督の心変わりは何なのでしょう、宇宙人が家族写真を見て微笑むようなシーンを入れたのは不本意の暗示でしょうか、血まみれ、スリリングはジョーズ同様の手の内ですが子供には残虐な様は見せまい見せまいと振る舞う前半は後半のグロテスクシーンへの批判対策に思えます。
進行企画頓挫のドタバタから押さえたトムクルーズありきでわずか1年で作った穴埋め作品らしいとの記事を読んで出来の悪さが少し理解できました。SFの古典的名作で完成度の高い作品をやっつけ仕事でやるからこうなるのでしょう。
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