「観易さがないのが長所でありちょっと短所」バニラ・スカイ 77さんの映画レビュー(感想・評価)
観易さがないのが長所でありちょっと短所
好みか好みじゃないかの二択なら迷いつつも間違いなく(変な日本語だけどこれがしっくりw)、前者。
だけどいかんせん“好き”の理由の一つでもあるその、観てるこちらまでが夢の入口をぐるぐるさ迷ってるような感覚に陥ってしまうもどかしい作りに、きっと思惑通り“なにがなんだか”が続くので、初見の私は着いていくのにいっぱいいっぱいになってしまって。
というか初見のはずなのになぜかあのマスクとか強烈に記憶にあるような気がしたり、作り手がニヤニヤしてしまうくらい完全にあっちのペースにだだハマリでしたw
二回目はもっと細かくいろんな良さを感じながら(とりわけ音楽美術も素敵な作品だし)楽しめそうだなーと思いつつなかなか重量系なので連続で観るとなるとお腹イッパイ…ということで今のところは3.5点。多分時間を置いて次観た時は評価上がってますw 原作も観たい!
夢。理想のあれもこれも可能なもしもの世界。
「夢なら醒めないで」「夢みたい!」
「せめて夢の中で」
厳しい現実を生きるしかない私たちはこんな風に夢の世界をハイグレードな希望として捉える。
でも時に「夢で良かった」と胸を撫で下ろすことも。
どんなに甘くても酸っぱくても夢はやっぱり夢でカタチがないふわふわしたものでしかなくて。夢をみるのは面白いけどそれに左右される必要はない。
で、眠りから覚めると待ち構えてる面倒臭くて窮屈なリアルな世界。
の素晴らしさ。をこの映画はややこしく、でも真摯に伝えてくれました。改めてハッと気付かされることがたくさんありました。
俳優陣も素晴らしかったです。
トムの映画は【トム・クルーズ!!】って感じのが多いけどw、本作は演技で魅せるトム・クルーズが見られました。
横道逸れるけどデヴィットが変になってしまったのか陰謀なのか夢なのか現実なのかなんなのかっていうのが更にリアルなものになった気がするので、個人的にトムの“顔”はもっと酷い状態でも良かった気がします。
そしてキャメロン!スリラーもいけるなんて新発見。最初は配役そっちなんだ意外ーと思ってたのに、“いける”なんて失礼なほど完璧なお芝居でした。
特筆すべきはなんといってもペネロペの可愛さ!
なんだろうこの人がいるから色々と破綻がないって言っていいくらいの“夢と現実”にマッチした彼女の雰囲気。
あとバニラ・スカイってタイトルも好きです。