「「美しい夜だ」」トロイ komasaさんの映画レビュー(感想・評価)
「美しい夜だ」
3時間近い大作だが、ストーリー作りがとても上手く、長いと感じさせない。
単身で息子の亡骸を引き取りにきたトロイの王がアキレスと対面するシーン。トロイ王を演じるピーター・オトゥールの、まるで舞台上で生で演じているかの様な姿がとても印象に残る。この演技があるからこそ、アキレスが憎き敵であるヘクトルの亡骸に涙する姿、腹心に帰国を命じた後に夜空を見上げて「美しい夜だ」とつぶやく姿が嫌味無く胸を打つ。
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Gustavさんのコメント
2025年2月22日
komasaさん、コメントありがとうございます。
ご指摘のアキレスとプリアモスのあのシーンは、この大作の中で出色の名シーンでしたね。豪華キャストの各俳優の個性が生かされていて見応えがありました。名優ピーター・オトゥールと人気絶頂期のブラッド・ピットで敵対する戦士の宿命感が奇麗に出ていたと思います。それだけヘクトルとプリアモスの親子像が深く描かれていたからですね。ピットが主演でなければ、エリック・バナを主役にしてもいいくらいだと思いました。ハリウッドのスターシステムとウォルフガング・ペーターゼン監督のコンセプトに少し齟齬がありますね。それでもこのドイツ人監督の拘りがあって興味深く観られたのも事実です。古の神話を英雄伝で終わらせないで、勝者と敗者其々に苦しみがあること、とても人間味のある歴史ドラマでした。