「ブラピが美しすぎるだけ」トロイ 透るさんの映画レビュー(感想・評価)
ブラピが美しすぎるだけ
最初に否定的な意見。
これは壮大なブラピのイメージビデオだと思った方がいい。というと他のキャストの方がかわいそうだけど、そう思ったのだから仕方がない。
神話に基づいているのかなと思いきや基づいていない。これがかの有名な「トロイの木馬」か~なんて思ったらいけない。しかし完全なオリジナルでもない。すると立ち位置がわからない。
神話に脚色したヒューマンドラマとして観るにはアキレスの恋が中途半端のような気がする。もし無敵のアキレスが恋をして変わったというベタ展開にするのであればもう少し葛藤してほしかったし、ブリセイスの(従妹がアキレスに殺害されてからの)立ち直りやアキレスとの関係性が希薄すぎる気がする。
この作品の方向性がそもそもエンターテインメントに全振りしているように思えて、芸術的評価がなかなか難しい。そもそも自分もそうだろうと思ってほとんどガス抜きの気持ちで観ようと思ったのだし、あまり頭を使いたくない時に観るものだと思う。
ブラピ好きの方なら絶っ対に観た方がいい。全編ブラピまみれになれる。
次に肯定的意見。
戦闘シーンはよかった。盾で陣形を組んでズンズン迫る兵法(名前は知らない)はかっこいいから好きだ。GOTでもたまに見るから中世時代のセオリー的戦い方なんだろう。
オーランドブルームがとんだ口だけ野郎で出てくるだけでイライラしたのだが、冒頭のヘレンとの逢瀬は趣があってよかった。拒むヘレンだが二人の会話で昨日も一昨日も実は心許していたこと、二人の恋がとっくに燃え上がっていたことがわかる。・・そこまではまだかわいらしいカップルの戯れだと思っていたのだ!それが、人妻であるヘレンを勝手に連れてくるなんてとんでもないやつだ。そのせいで一体どれだけの人間が死んだのか。
死んだと言えば死体の数が夥しい。ギリシャ軍がトロイに攻め込んだ時は千隻もの船だったという。浜に上陸した途端弓矢兵の一斉掃射でみるみるうちに死んでく。ばたばた死んでいく。この辺はプライベート・ライアンのオマハビーチ上陸と見紛うほどの迫力だ。
兎角、あんまにばっさばっさと人が死んでいって、死骸の山ができるほどなのに地球上から人は消えなかったんだな。ということを感慨深く思った。それは中世や海外に限ったことじゃないけど。
最後にこれが言いたかったのだ。ブラピが、本当にかっこいい。
息を吞むほどのハンサムぶり。あの肉体の美しさ。見るものすべてを虜にしてしまう。
戦から戻って、鎧を次々脱いでいって、盥で顔を洗う。たったそれだけの仕草で悩殺してしまうんだからやっぱりブラピはすごい。民族模様の入ったオーバーTシャツ(絶対違う)を素肌に羽織ってゲル的なものから出てくるシーンもセクシー。中で裸だったのかな・・と下衆の想像をしてしまう。
ブラピのイメージビデオとして観るならこれ以上ないほど堪能できる作品だったということです。