「神々のいないトロイ戦争」トロイ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
神々のいないトロイ戦争
総合:75点 ( ストーリー:70点|キャスト:80点|演出:75点|ビジュアル:90点|音楽:75点 )
神話に出てくる神の祝福で敵の攻撃を跳ね返す皮膚をもったアキレスが活躍するのかと思ったら、勇敢な普通の人間として冒頭に登場してきてそれを否定した。そんなことを言っておいて、それでも本当は神が出てきたりアキレスが超人的な行動をするのかと思ったら、最後まで普通の人間として行動する。要するに有名なギリシャ神話は、通常の歴史物語として描かれていた。
アキレス・ヘクトル・両国の王等、登場人物は個性があった。個人的にはオデュッセウスが好きなのだが、本作品ではあまり活躍する場面がなくて残念。パリス王子は幼稚て軽薄で自分の持つ原作の印象どおりだが、オーランド・ブルームがやや勿体無い気もする。
個々の登場人物をしっかりと描いた分、全体図はやや明瞭ではなくなった印象はある。大量動員された兵士は迫力があるが、個人戦の描写は良くてもどのように集団戦術を使った戦ったかに対する描写は弱い。せっかくの大金をかけた美術と大勢の兵士をもっとしっかりと活用して描いて欲しい。大傑作『Uボート』のペーターゼン監督だが、古代の陸戦はUボートの海戦とは勝手が違ったか。結末は知ってはいるものの、その過程を手を抜いてほしくない。
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