「悲劇と感動の橋渡し」スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
悲劇と感動の橋渡し
新シリーズ最終作。エピソード3。
旧シリーズと新シリーズの橋渡しとなり、壮大なサーガが一つに繋がる。
シリーズ中最も重く、暗い。
銀河共和国が銀河帝国に。
ジェダイが滅びる。
アナキンが遂にダース・ベイダーになるなど結末も分かりきっている。
火山の惑星でのアナキンVSオビ=ワンなど、これまで裏設定でしかなかったエピソードが圧倒的な映像で語られ、この興奮!この喜び!この感動!
シーン一つ一つから目が離せない。
アナキンの悲劇は愛する者を守りたい一心から。
エピソード2では母を失い、今度はパドメを失うかもしれない悪夢にうなされる。
怖れ、不安、悲しみ…。
その心の隙間に巧みに侵入するダークサイド。
ジェダイの騎士としては決して許されない事だが、一個人がいとも簡単に悪の道に堕ちる危うさ。
オープニングのパルパティーン救出作戦から始まり、見所は沢山。
前作から続くアナキンとパドメの禁断の恋。
個人的にお気に入りキャラ、喘息持ちのドロイド、グリーバス将軍!
オビ=ワンとグリーバスの決着。
ウーキー族登場、チューバッカも!
いよいよ本性を現すパルパティーンことダース・シディアス。イアン・マクダーミドが存在感ある演技を見せる。
ダークサイドに堕ちたアナキン。悪に染まりきった顔。
発令されたジェダイ騎士抹殺。
ヨーダVSダース・シディアスのジェダイとシスの頂上決戦。
そして、火山の惑星でのアナキンVSオビ=ワン。
「弟と思っていた。愛していた!」
オビ=ワンの悲痛な叫びが胸を打つ。
だけどやっぱり、興奮最高潮はクライマックス。
戦いに敗れ、片腕と両足を失い、全身大火傷を負ったアナキンに機械の体とあのマスクが装着…!
呼吸音と、ジェームズ・アール・ジョーンズの声。
ここに、誕生。
エピソード4で初めて見た時と、エピソード1から見た時とじゃまるで印象は違う。
堕ちたある若者の哀しき姿。
パドメの死、ルークとレイアの誕生。
二人はそれぞれの引き取り手に。
身を隠すヨーダとオビ=ワン。
記憶を消されるR2と3PO。
ちょっと駆け足気味で辻褄が合わない所もあるのだが、エピソード4の時から狙って作った訳ではないので、ここまでピタリと繋げただけでも拍手モノ。
建設中のデス・スターと、それを見つめる銀河皇帝とダース・ベイダー。
ラストシーンは、エピソード4のあの名シーンと同じタトゥイーンの夕陽。
一度沈んだ希望は、“新たなる希望”へ…。