劇場公開日 2001年4月14日

「【ロシアンスナイパーVSナチススナイパー”今作は第二次世界大戦の転換点となったスターリングラードの攻防を、敢えて二人のスナイパーの対決に焦点を絞り描いた緊迫感溢れる戦争映画である。】」スターリングラード NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 【ロシアンスナイパーVSナチススナイパー”今作は第二次世界大戦の転換点となったスターリングラードの攻防を、敢えて二人のスナイパーの対決に焦点を絞り描いた緊迫感溢れる戦争映画である。】

2025年12月23日
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■1942年秋。
 ドイツ軍との激戦地スターリングラードに、ソ連軍の新兵ヴァシリ・ザイツェフ(ジュード・ロウ)が配属されてくる。狩猟の際に祖父の指導で磨いた射撃の腕を発揮し、ナチスドイツの数多くの将校を狙撃したスナイパーとして頭角を現したザイツェフは、青年将校ダニロフ(ジョセフ・ファインズ)によって、劣勢であったソ連の国民的英雄に新聞のトップに取り上げられて祭り上げられてゆく。
 一方、ドイツの射撃の名手ケーニッヒ少佐(エド・ハリス)も戦地に派遣されて来る。彼は息子が、スターリングラードで死んだことを理由に、一人ヴァシリを追い詰めて行くのである。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・冒頭の、ソ連軍に対するナチスの攻撃シーンが物凄い。船に乗り込むソ連兵に対し、空中から雨霰の銃弾が降り注ぎ、脱走兵が多数出るが、ソ連の将校は脱走兵を撃ち殺すのである。
ー 日本軍でも、良く描かれる背後から脱走兵を撃つシーン。この戦いに参加した旧ソ連兵が抗議の書簡を出した事で有名なシーンである。-

■今作の特徴としては、第二次世界大戦でナチスが敗走した、180日間のスターリングラードの戦いは多くの映画で描かれているが、今作では熟達のスナイパー同士の戦いにフォーカスした点であろう。
 特に、個人的にはケーニッヒ少佐を演じた名優エド・ハリスの、冷静に獲物を仕留める灰色の眼と顔が秀逸だと思う。
 息子を殺された哀しみを漂わせつつ、非情なるソ連の青年将校ダニロフのの言葉により、スパイとなった少年、サーシャを宙づりにしてヴァシリをおびき出すシーンなどである。

・又、今作ではヴァシリ・ザイツェフとユダヤ人であるターニャ(レイチェル・ワイズ)との戦中での恋も描かれるが、矢張りスナイパー同士の息を飲む狙撃戦が見所であると思う。

・ターニャに恋心を持っていた青年将校ダニロフの、ヴァシリ・ザイツェフへの嫉妬心からのバッシング記事からの、彼が想いを改め自らケーニッヒ少佐の標的となり居場所をヴァシリ・ザイツェフに知らせ、彼がケーニッヒ少佐を彼が予想しなかった方向から一発で倒すシーンも見応えがある。

<今作は、第二次世界大戦の転換となったスターリングラードの攻防を敢えて二人のスナイパーの対決に焦点を絞り描いた作品なのである。>

NOBU
トミーさんのコメント
2025年12月23日

共感ありがとうございます。
イーストウッドのアメリカンスナイパーもそうですが、狙撃モノは最終的にタイマン勝負になりがちですね。
原作者も亡くなったのでゴルゴ13実写化せんですかね、佐藤浩市辺りで。

トミー