「レッドフォードの貫禄とT.スコットの演出が光る秀作」スパイ・ゲーム Yukさんの映画レビュー(感想・評価)
レッドフォードの貫禄とT.スコットの演出が光る秀作
引退の日を迎えた老練スパイ(ロバート・レッドフォード)と、彼が育てた部下(ブラッド・ピット)の友情と師弟愛を描いた異色スパイ映画。
レッドフォードの気品と貫禄をベースに、トニースコット風味の軽妙な演出がミックスされ、独特の雰囲気が漂い見どころが多い。ブラピも負けじと頑張っている。回想シーンを除けば2人が会って会話するシーンが一切無いというのが面白い。
引退を前にしたCIA局員、彼を利用しようとするライバルや上司たち。秘書以外に味方の居ないCAIの建物の中で上手く立ち回り、外部の伝手を利用しながら中国で捕まった元部下の救出を企てる、その最終出勤日を描く。
米中情勢にも影響する事件となり、CAI上層部はブラピを見捨てようとするが、それを受け流しつつ騙し合いを重ねて裏で救出を図る。これを日本映画でやると「彼を見捨てるつもりかー!」なんてセリフを書いてしまいそうだが、レッドフォードはそんなんこと言わない。百戦錬磨のスパイは微笑を見せつつ、黙って徹夜して裏で手を回し続け、自らの◯◯も費やして部下を救おうとする。
2人の男が信念を貫く姿を描きつ、2大スターのイメージも上手く利用して、さりげない師弟愛と友情をみせた、おそらくはトニー・スコットの最高傑作。何度も見返すことが出来る映画。
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