劇場公開日 2007年5月1日

「なんとなく見返してみようスパイディ第三弾」スパイダーマン3 竜虎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5なんとなく見返してみようスパイディ第三弾

2015年9月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

とうとう来ましたサムライミ版スパイディ最終作。

昔見た感覚としては、ヴィラン3人出して、グウェンも出してしかも相変わらずピーターとMJはグタグタやってるというまとまりってなかった印象だったんです。
でも改めて見たら、普通に面白かったですね。

今回は登場人物への印象を主に語りますね。

まずヴィランは3人がそれぞれ個性的で、特にサンドマンとニューゴブリンは切なさや格好良さがあって良かった。
ただヴェノムもといエディ・ブロックだけはイマイチでしたね。いやヴェノムとしては良いんですが、動機がどう考えても自業自得というか逆恨み甚だしいんですよね。もう少しマシな動機がなかったものか。

そして3人の中でもハリーは最高でしたね。父の復讐からスパイディとピーターを恨みつつも、やはり友達であるという葛藤。戦いから記憶喪失、そしてMJとの関わりからもう一度復讐を経て、共闘という流れと、彼が辿る結末はとても良いものがありましたね。ハリーは良いやつなんだよ涙

次にピーター
なんか見ていて痛々しかった。
調子に乗っちゃダメだよ、プロポーズも、グウェンとのキスも、変なダンスも、MJへの嫌がらせも、全部見ていてなんでそんなことすんの?ってたとえシンビオートに寄生されてるからといって許容できないレベルでの言動が多くて、メイ叔母さんに諭されたから改心しても、少しノリきれなかった。

んでもってMJ。
今回は、自分の仕事が上手くいかないのにスパイディは成功してることへの僻み&グウェンってピーターのクラスメイトへの嫉妬から、また違う男(ハリー)に靡くという相変わらずな女性として描かれております。しかもハリーに付け込まれて、ピーターを堕とす道具に使われるし…

でもね、ピーターの調子乗りっぷり見てたら、そりゃ打ち明けられないわって、今作は非常に可哀想に思えてこれまでより彼女の行動に感情移入はできましたかね。
でも相変わらずの尻軽感は出てるけどね笑

全体的には今まで以上に人物描写を掘り下げてるんですけどいちいち痛々しくて悲しい感じでした。まあその人間ドラマがサムライミ版のストロングポイントですから、これは成功したと言っていいんじゃないでしょうか。
ちなみに今まで通りな脇役は、JJJ以下DB社やアパートの管理人、コナーズ博士に、あとはレストランの支配人が相変わらずいい味だしてましたね。

ただ一番の文句が、グウェンの扱いです。
いやあれじゃ、ただのモデルのギャルにしか見えないです。
原作ではベン叔父さんに並ぶピーターのトラウマを作る存在なのに、あれじゃMJへの当て馬でとりあえず出しましたとしか思えない。申し訳程度に落ちるグウェンを救うシーンなんか入れないで欲しかった。

これら以外だと、
アクションの派手さは相変わらずでそれぞれ特徴あるヴィランと戦わせることで、新鮮な戦いが続くって点はとても上手くやってたと思います。
あと結末に、もう少し後日談が欲しかったですね。あんだけ関係グチャグチャになったピーターとMJがさらっと元に戻って終わるってのは、すっ飛ばしすぎに感じましたね。まあこの辺予定されてた4作目以降で書くつもりだったのかもですけど。

改めてサムライミ版スパイダーマンを全て見返した訳ですが、うん非常に面白かったです。
確かに原作であったり、アメイジングスパイダーマンとは違うかもしれませんが、ヒーローと市民に板挟みにされるピーターの葛藤がとても丁寧に描写されており、またアクションやビジュアル、音楽もハイクオリティで、ヒーロー映画として高いレベルで3作やりきった凄いシリーズだと思いましたとさ。

竜虎