劇場公開日 2002年5月11日

スパイダーマン : 映画評論・批評

2002年5月1日更新

2002年5月11日より日劇1ほか全国東宝洋画系にてロードショー

「スパイダーマン」は完璧なヒーローになれない若者の物語なのだ

“見方”の難しい映画だ。原作はいうまでもなくアメリカン・コミック。その典型的なヒーローとしてスーパーマンがいて、バットマンがいる。スパイダーマンも同列に並べられるが、同じ“~マン”ながら彼はスーパーでも闇の騎士でもなく、正体は普通の若者。彼は偶然に超能力を得て、そのパワーを正義のために使いつつ、同時に青年らしい悩みをかかえてジタバタする、そんなことから、このヒーローは誕生以来40年、読者と等身大の<親愛なる隣人>として愛されてきた。なにしろ<大きくなったチャーリー・ブラウン>とさえ呼ばれるのだ。“見方”が難しいというのは、こうした基礎知識が必要だからだ。

98年の「シンプル・プラン」以降、ドラマ演出に冴えを見せるサム・ライミが監督、脚色は「パニック・ルーム」のデビッド・コープ。2人とも原作コミックのテイストを大切にしている。巧みな特殊視覚効果によってヒーローはニューヨークの摩天楼を飛び回り、悪役グリーン・ゴブリンと対決する。その場面はかなり痛快。が、ライミ監督はVFXの派手さを極力おさえたように思える。「スパイダーマン」はヒーローでありながら、完璧なヒーローになれない若者の物語だからだ。本作はすでに続編が企画されている。優柔不断ともいえるヒーローはこれから、どんな活躍をすることになるのだろうか……。

死霊のはらわた」以来のライミ監督の盟友ブルース・キャンベルがプロレスのアナウンサー役として出演、その姿も見逃せない。

(冨谷洋)

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