「ジョーン・フォンテインが魅力的で物語の展開がお見事、ワンチャンの純愛物語にも胸熱」皇帝円舞曲 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
ジョーン・フォンテインが魅力的で物語の展開がお見事、ワンチャンの純愛物語にも胸熱
ビリー・ワイルダー監督による1948年製作(106分)のアメリカ映画。原題:The Emperor Waltz、劇場公開日:1953年7月15日。
舞台はワイルダー監督の生まれ故郷オーストリア。アメリカ人の歌好きの蓄音機セールスマン役ビング・クロスビーが主演。彼が恋するのが未亡人の伯爵令嬢役ジョーン・フォンテイン。何と言っても、「レベッカ(1940)」「断崖(1941)」のフォンティンが美しくて魅力的。カラー映画でより金髪や衣装の華やかさが引き立っていた。
有名な歌手でもあるビング・クロスビーを見るのは多分初めて。たっぷりと歌ってもいるが、時代のスタイルもあってか、あまり上手いとも思わなかったし、感心もできなかった。
ただ、時間順序を入れ替え、2人の仲のアップダウンを上手く作りあげた脚本には、とても関心させられた。特に、クロスビーの愛犬雄スムースフォックステリア(雑種かも)とフォンテイン愛犬の黒い雌フレンチプードルが、最初取っ組み合いの喧嘩をしていたのに仲良くなり、やがて恋愛関係となり、雑種の子犬たちを産む展開には驚かされた。
雌黒プードルが、王様の愛犬との婚礼前にお屋敷を抜け出して、駆けて駆けて、犬かきで泳ぎきり、湖内の島にいた雄テリアのもとに駆けつけたのは、胸熱であった。こっちのペアが主役をくっていたぐらいの純愛物語。
あんな激しい喧嘩と寄り添いあうイヌ2匹、どうやって演出・撮影したのだろうか?同じに自分には見えたが、仲悪と仲良しの複数ペア犬を用意してた?!
監督ビリー・ワイルダー、製作チャールズ・ブラケット、脚本ビリー・ワイルダー,チャールズ・ブラケット、撮影ジョージ・バーンズ、音楽ビクター・ヤング。
出演
ルシル・ワトソン、ビング・クロスビー、ジョーン・フォンテイン、ローランド・カルバー。