「大島渚の映画で一番好きかもしれない」絞死刑 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
大島渚の映画で一番好きかもしれない
今「戦場のメリークリスマス」をやっているから、大島渚に思いを馳せて。
大島渚の映画を全部見た訳ではありません。見た中で、この映画はとても強烈でした。まず、絞首刑の前、場面、その後が描かれること。そして刑を受けるのが在日朝鮮人であること。重苦しいテーマなのに、刑が失敗することで、いきなりブラックでもあるようなユーモアの世界に入り、てんてこ舞い状態になります。
大島渚映画の常連俳優はこの映画にも勢揃いで皆さん芸達者です。そして監督の妻でやはり常連の小山明子。真っ白なチマチョゴリを着た、この上なく美しい小山明子は語ります。内容は難しい。小山明子もわかってなかったと思います。でも、悪い意味ではありません。それが大島渚の映画の特徴の一つだからです。他の映画でも、とにかく語る。芸達者な男女の役者が、室内で、屋外で、海岸で、複数で、一人で、具体的に抽象的に語る、語る。
すごく不思議な映画だけれど、脳裏に焼き付けられました。他にもありますが、テーマのこともあって、この映画が一番記憶に残っています。1990年代後半あたり、自転車で通ってたミニシアターの大島渚特集で見ました。その映画館もなくなってしまいました。
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マサシさんのコメント
2022年7月16日
色々と共感頂きありがとうございます。
さて、僕もこの映画見たことを貴殿のレビューから思い出しましました。ダンサー・イン・ザ・ダークが僕にとってはあまり良い印象がなかったので、この映画の存在忘れていましました。
思い出させていただきありがとうございました。また、宜しくお願いいたします。