「過去の失敗の傷を背負った恋愛」恋のためらい フランキーとジョニー Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0過去の失敗の傷を背負った恋愛

2013年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

幸せ

総合:75点
ストーリー: 80
キャスト: 85
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 70

 ミシェル・ファイファー演じるフランキーは、今までの過去があるから簡単には扉を開けない。彼女の心と体の傷は彼女を臆病に後ろ向きにしてしまう。学歴もなく財産もなく家族もないまま元同僚のように場末の食堂のウエイトレスのまま孤独死するのは怖いけど、このままでいけないというのはわかっているけれど、それでも自分を変えようとしてもそのための一歩を踏み出す勇気がどうしても出ない。同じく過去にいろいろあったアル・パチーノ演じるジョニーの、不器用だけどすごく積極的で真心のこもった率直な口説きにも心から答えきることが出来ない。
 そのような彼女の分厚い扉をこじ開けようとするアル・パチーノと傷だらけで臆病な彼女の関係が行ったり来たりしながら揺れ動く。その大人の二人の関係の描写がうまくて楽しめました。決して綺麗な恋愛ではないのだが、こんなに背負ったものがあってもあるいはそれがあるからこそ物語は劇的になる。そして二人の熱演が、ニューヨークのありふれた下町の街角でひっそりと光っている。「プリティ・ウーマン」のゲイリー・マーシャル監督ですが、こちらのほうが全然心に響きました。

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Cape God