パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち : インタビュー
オーランド・ブルーム インタビュー
「ジョニーはまさしく手本にしたい憧れの存在だよ」
聞き手:若林ゆり
新作「トロイ」撮影の合間を縫って、にこやかに登場したオーランドは、カールした黒髪が肩に着くほど伸びて、より精悍さを増した印象。この映画ではとにかくジョニーとの共演に刺激を受けた様子で、「兄貴、慕ってます」モード全開なのが微笑ましい。
「僕たちの世代にとって、ジョニーはまさにお手本にしたい、憧れの存在なんだ。彼はすごくオリジナルな地位を築いてるよね。撮影の合間にはいっぱい質問して、すごくやさしくいろいろ教えてもらったよ。役へのアプローチにしても、インスピレーションの源だった。ジョニーがファンキーでクレイジーなことをやってるんで、僕のほうはまじめ路線を貫かなきゃならなかったんだけど。僕らのキャラクターが正反対だからこそ、この映画は機能するんだからね。ただ、ジョニーの素晴らしい演技を見て、そのモノマネをやりたくなったことはあったよ。セイント・ヴィンセントに向かう飛行機のなかで、ジェリー(・ブラッカイマー)やジョニーが、ぜひ見せてよ、っていうから、ぼく流のジャック・スパロウをやってみたんだ。楽しかったな」
いま彼は、いきなりのブレイクに戸惑いながら、どうキャリア設計をしていくかを模索している状態。ラッキーな状況を謙虚に受け止めつつ、「型にとらわれず、いろんな経験がしたい」と夢を広げている。「美しい女優とキスできるから役者になった」とティーン誌に書かれて「そんなこと言ってないよ! まったく、ティーン誌め」と嘆いたり、「あなたもウィルみたいにロマンティック?」と聞かれて思いっきり顔を歪めながら「そうでもないな」と答える彼は、本当にキュートだ。さて、気になる「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」については?
「僕は以前から、最終章である第3部がもっともエキサイティングになるって思っているんだ。これまで2作で登場したパズルのピースが、すべてはピタッとはまるわけだからね。どんなに少なく見積もっても、クオリティが前2作を下回るはずはない。ピート(ピーター・ジャクソン監督)がそれに相応した評価を受けることを願っているよ」
ブラッド・ピットと共演で撮影中の新作、「トロイ」は?
「僕の役はパリスといって、言ってみれば見当違いをしている若者なんだ。恋に目がくらんで、忠誠や名誉が重んじられる時代だというのに、結果も顧みず好き勝手なことをしている。やがて彼は、そんな生き方をしていてはいけないと悟るんだ。ブラッドはスウィートな人だよ。あまり絡みのシーンはないけど、役者としても尊敬してる。ジョニーと同様、ユニークで挑戦的な作品選びをしているよね。考えてみると、『ロード・オブ・ザ・リング』のヴィゴ(・モーテンセン)といい、この2人といい、大作で主役を張るスターは似た性質を持っているよね。そんな人たちと共演できて、スポンジになったみたいにいろいろ吸収しているところさ」
では、いまの目標は?
「素晴らしい監督と仕事をすること、いい脚本を見つけること、そして、自分が熱中している映画企画を実現させること。いま、ある企画があって、なんとかその映画化ができないものかなあと思っているんだ」