「おやじの背中」ロード・トゥ・パーディション しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
おやじの背中
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Huluで鑑賞(吹替)。
原作者が構想のベースにしたのは、なんと「子連れ狼」だそうな。確かに本作も冥府魔道を往く父子の物語でした。
無惨に殺された妻と次男の復讐を誓って組織の追跡をかわしながら、憎き仇へと肉薄していくサリヴァンとその長男。
その仇とは、サリヴァンが実の父親のように慕っている組織のボスとその息子。本当の父子と疑似父子の対比と共に、複雑で愛憎渦巻く悲しみのドラマが展開されました。
トム・ハンクス、ポール・ニューマン、ジュード・ロウ、ダニエル・クレイグ―そうそうたる名優たちが集結。珠玉の演技合戦に震えました。中でもポール・ニューマンの貫禄たるやすごい。往年のスターは輝きが違うと思いました。たとえ出来損ないであっても、愛する息子に変わりはない。その苦悩が伝わって来て、胸が締めつけられました。
サム・メンデス監督は、陰影を使った映像表現が上手い。静謐さと重厚さ、それに哀愁みたいな物悲しげな雰囲気が伴われていて、画面の引き締まり方が尋常じゃなかったです。
男はみな、おやじの背中を知らず知らずの内に追い掛けているのかもしれません。時に偉大だったり、時に戸惑うものだったり、時に見失ってしまいそうになったり。いろんな姿を見せる背中は、確実に人生において様様なことを教えてくれる…
※修正(2024/06/11)
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