パンチドランク・ラブのレビュー・感想・評価
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何だよこれつまんねーよ!って思ったけど、この主人公には、自分を重ね...
何だよこれつまんねーよ!って思ったけど、この主人公には、自分を重ね合わせて見てしまい、親近感が湧いた。
彼は明らかに精神疾患の持ち主。
鬱なのか何なのか知らんけど、あの怒りっぽさは異常。で、それは自分にも言える…
自分も凄く怒りっぽくて、キレると止まらない…あまり人前では切れないけど、アップダウンも激しいし…鬱持ちだし…最近は落ち着いてるけど…
どうやら当時のPTA監督も鬱だったらしく、何かそういう所、伝わってきた…
急に暴れたくなる衝動とか、すごいわかる。事実、この映画を見た日は嫌な事があって、天気も悪くて、湿気90パーセントとかでジメジメしてるし。帰りの電車はいつに無く混んでるし。全てファック!!死ね!みたいな。何に怒ってるのか自分でも不明。しかも7人の女兄弟のイライラとかも、わかっちゃう…姉と妹と母の四人の家族構成だから、女ばかりでうるさい感じ。わかる…そういう意味ではどハマりだ。
といったかんじで、映画自体はやっぱりつまんないと思うし、好きじゃない事に変わりはないんだけど、主人公の精神状態には、同類意識を感じるぜって感じだ。
なんかアレだね、デイヴィッド O. ラッセルの「世界に一つのプレイブック」みたいだね。あの監督もキレる病気持ってて、あの映画の主人公も突然キレるからね。躁鬱病なのかな?
これは恋愛映画なんだけど、暴力と愛が入り混じる。
冒頭の車の横転の後にすぐさま謎のピアノの出現。そしてすぐに彼女の出現。
全てが咄嗟。横転する車にはたぶん特に意味はなく、ただ突発的な暴力の象徴で、それは主人公の突発的なキレと重なる。ピアノは幸運の象徴。ピアノが彼女を呼んだ、みたいな感じ。
テレフォンセックスカンパニーの話は、監督が実際にそういう所で働く女から聞いた、本当の話らしい。プリンの話も、本当にそれをやったおっさんがいたらしく実話らしい。
PTA作品の魅力って、詰まる所、解釈のしきれなさ、だと思う。それはたぶん監督本人も、解釈しきれてない。様々なエレメント(多数の役者や、物語に直接的には関係ないと思われる演出)を入れることで、その映画について考察する余地をたくさん残す。そういう手口な感じ。そのために変わったユーモアとかもいれる。そのへん、やはりコーエン兄弟に似てる。
99セントショップでプリンを初めて買うシーン、青のスーツを着たアダ...
99セントショップでプリンを初めて買うシーン、青のスーツを着たアダムサンドラーの動きと合わせて画面奥で動く赤い女(?)が印象的でした。
映画自体のストーリーは言われる程難解ではないと思います。
人生とはパンチドランク・ラブのようなもの
なんなのでしょう、このグッド・フィーリングは。
お誂え向きの整合性やら感動やらを組み立てるのももちろん大事な事なのかもしれないが、それだけじゃ何か足りない。
この作品での抑圧された環境で育ったアダムサンドラーを観ていると胸の奥がキューと痛むんだ。
こういう気持を言葉にするなんてそう容易いことではない。
言葉されていなくても伝わってくるこの感じが何よりも大事に感じるし、何よりも好きだ。
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