「圧巻」蝋人形の館 かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)
圧巻
拙ブログより抜粋で。
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ストーリー的には、ものすごくありがち。
6人の若者たちが、ひょんなことから閉館した蝋人形館のある片田舎に行き着いて、よせばいいのにその蝋人形館に侵入したりするもんだから殺人鬼に次々に殺されていくっていう、王道中の王道。
ありがちでつまんないかというとそうでもない。まっとうな残虐ホラーとして、よくできていると思う。ジャパニーズ・ホラーにみられる心理的な恐怖とは対極の、直接的に視覚に訴えかける古典的なホラー映画だけど、その驚かし方が半端じゃない。観ているこっちが痛くなる描写がふんだんに出てきます。
明らかに観客のターゲットを「この手の映画が好き」って人に絞っているんでまったく容赦がありません。恋人とのデートにちょっと刺激的なホラー映画でもって人はやめといたほうがいいかも。ちょっとどころじゃなく刺激強すぎ。
蝋人形館が舞台ということで容易に予想できたんでバラしちゃうと、生身の人間を蝋人形にしちゃうんですよ。しかもその作り方を懇切丁寧に見せてくれます。もうやめてくれーって目を背けてしまうところまでしっかりと。これは圧巻です(笑)
お話的にありがちとは言いつつも、脚本は要所要所にひねりが効いてるし、それなりに飽きずに楽しめた。驚かせ方もうまい方だと思う。
難点を挙げるとすると、蝋人形の館にたどり着くまでの導入がちょっとかったるいかも。蝋人形の作り方を見せてくれるくだりもテンポを犠牲にしてた。
あと、意味ありげな殺人鬼の設定とメインキャストとのつながりも、もうちょっと深く突っ込んでもいいんじゃないかと思ったり。
まあ、そういった気になる点を差し引いても、題材を存分に活かした展開は、思いのほか見ごたえがあって満足度は高い。