「何がパリスに起こったか?」蝋人形の館 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
何がパリスに起こったか?
寂れた小さな町アンブローズ。車のファンベルトを買いに来ただけなのに、逃れようのない恐怖に襲われる若者たち。これぞアメリカンホラーの伝統を継承するキワモノ映画なのだ。怖い、痛い、グロいの連続技によって心拍数がかなり上昇します。中途半端なJホラー、韓国ホラーなんて目じゃないよと言わんばかりの、ロバート・ゼメキスらが設立したダーク・キャッスル。ホラーの伝統を数々のオマージュによって見事な作品を作ってしまいました。
アメフト観戦のために、ドライブ途中でキャンプを張る二組の男女と兄貴と連れの6人グループ。「NYに行かないわけじゃないよ」と恋人カーリーにわけのわからない言い訳をするちょっとイケメン風のニック。NYに行くどころか、恐怖の蝋人形館に行っちゃったよ。まるでチョコレートで作られた家を見るかのようにヨダレまで垂れちゃって・・・(実際は違います)。オリジナルには登場しないであろう携帯電話を駆使して仲間たちも巻き込まれる惨劇・・・人間そっくりの蝋人形にわくわくしながらも、アイドル風エリシャ・カスバート痛すぎるショッキング映像と体当たり熱演のパリス・ヒルトンに拍手したくなったほどです。
思わず評価を上げてしまったのは、小劇場で上映されていた『何がジェーンに起こったのか?』です。ベティ・デイビスの狂気に満ちた瞳とマニアックなピアニストがそのまま蝋人形館で活かされている。そして、二組の双子の対比をラストのカタストロフィまで引っ張る伏線と、お決まりの不気味なエンディングによって、完成度が見事にアップしました。
好きなキャラはダールトン(ジョン・エイブラハムズ)だ。韓国ホラーの『友引忌』にも似たようなキャラがいたけど、変なものばかり撮るからやられちゃうんだよ。困った奴だ。
双子の伏線は、なかなかよかったです。
ジャウム・コレット=セラ監督の『ジャングル・クルーズ』もうほとんど完成しているんでしょうけど、どんな感じに仕上がっているんでしょうね。来年に公開は延期されたけど、楽しみです。
この作品、公開されたときは低評価だったとおもうんですが、私的にはベストホラーです。心理的にもグロさもしっかり怖いし、何よりパリスが女優だった。今でもたまに観たくなります。