アザーズのレビュー・感想・評価
全40件中、1~20件目を表示
ホラーだけでは留まらない、ありのままの家族愛の姿が記された映画
時にぶつかり合い、傷つけ合い、解けない誤解を抱えたまま、それでも最後には抱き合う。監督が描こうとしたのは、ありのままの家族の姿であり、ホラーというテーマは、そこに添えられた単なる薬味でしか無いような気がしてなりません。この映画で登場する「死者の記念写真」についても、確かに不気味でグロテスクではありますが、それでも愛する者の姿を残しておきたいという家族愛が込められており、正にこの映画を象徴と云えるのではないでしょうか。
色褪せない作品
2002年の作品
制作時との時間差があるものの、まったく古さを感じさせない。
1945年という時間軸に、当時の考え方や社会的背景が込められている。
この物語は、霊であっても人間だったことで、その思考や風習はそのまま残ってしまうことと、その悲惨さから他の霊が手を差し伸べるという概念による。
通常我々の立場は人間であり、その視点から霊的なものを思考する。
しかしこの物語は、霊が当時の強い強迫観念からどうしたら抜け出すことができるかを描いている。
そしてそれそのものを大どんでん返しにしている。
面白い。
霊が霊に介入する。
さて、
そもそもグレースは非常に隔離的な生活の中にある。
その一つが戦争であり、すでに死んだと思うしかない夫チャールズのことを、まだ戦地で戦っているとしか子供たちに言えないことが、彼女の最大のストレスでありジレンマなのだろう。
この彼女のストレスは、聖書や神という絶対的なものにしがみつくしかなくなっていた。
「神であれば、主であれば、この状況からきっと開放してくださるに違いない」
しかし結果はすでに告げられていた。
夫なしで二人の子供を育てなければならない。
子どもたちは光アレルギーで日光がダメ。
使用人を雇い、子供たちの教育を自身がする。
隔離され多様な生活は子供たちだけにとどまらず、グレース自身も外に出掛けることはできない。
濃霧は、彼女自身の心の闇の深さであり、自身を閉じ込めておかなければ居られない証。
部屋の鍵も同じような意味があり、表向きには光アレルギーの子供を守るためだと言っているが、実際には「この場所」に閉じ込めておくためのもの。
「この場所」とは、グレースの心だろうか?
強迫観念に満ちてしまった場所
そして、霊であっても夫と「邂逅」できること。
神父を求め、外に出たことが夫の霊を招いたのだろう。
しかし夫はそこに長くいれない。
それは、グレースが変われないからだろう。
この物語の意味が解ってもなお、グレースの心の闇の深さに感じる強迫観念
この人間の心というのは霊であってもなおコントロールできないほど難しいものなのだろう。
母の考えこそ正しいと考えている息子ニコラス
母の考えに賛同できない娘アン
アンは母に概ね従っているが、肝心な個所で袂を分かつ。
これが、アンには霊が見えることに繋がるのだろう。
交霊会
盲目の交霊者が降ろしたかったのがラスボスの霊 つまりグレース
この交霊者に協力していたのが、ミルズたちだったのかもしれない。
結核で亡くなってしまった3人
声が出せないほどショックを受けたリディア
リディアの悲しみは今も続くが、恐ろしいほどの脅迫観念に憑りつかれたグレースほど悲しいものは無いのだろう。
そして、
この人間と霊との逆転物語
私自身、何らかの情報によって、人間であれば「変化」できるが、霊となれば変えることができないと思っていた。
しかし、
どこにでも救いがあるならば、霊もまた霊によって救われることがあるのかもしれない。
モチーフの「光」
そこに感じる「正しい知識」
グレースの、一見正しいような思考
決してその他を信じないとする強迫観念 「光」
この光を遠ざけるように生きているグレース
最後に彼女は自分がしたことを思い出した。
そしてようやく昇華を迎えることができた。
ビクター一家は幽霊屋敷から引っ越したが、除霊は成功した。
2002年 まだ霊を信じる人々がたくさんいた。
TVでも取り上げられていた。
そんな世界があるならば、きっとこんな感じなんだろう。
自分の過ちを認めず、それが正しいと信じ続けること。
地獄とはまさにこのことで、光を一番必要とする人が、光を遠ざけてしまう。
ミルズは、現世のビクター一家らと「共存」するしかないと言ったが、何もかも受け入れられないというグレースには、それしか方法はなかった。
昇華
これこそ、日々我々が求められていることなのかもしれない。
幽霊なのか何なのか?
幽霊がいるのかポルターガイストなのか?
カーテンとか部屋の数とか鍵閉めろとか、ニコールキッドマンお人形みたいな顔して病んでてうるさいなと。
ホラーと思ってたらミステリーだったけど途中でちょっとだけよめた。
このガキ、小芝居しやがって… おまえらがどうにも怪しい… とかいろ...
怖くはないが、不気味
演出怖い
とにかくニコール・キッドマンが美しい。
幽霊物の最高傑作
ゴシックホラーの名作
からくりはすぐにわかる‼️❓
煉獄
私「アザーズはどこ?」店員「あざーす?笑」
某ネット掲示板におすすめの映画を語るスレッドがあってこれをすすめる人がいた
どういう内容か具体的に書いていなかったがニコール・キッドマン主演で意外なオチらしい
どうやらジャンルはホラーのようだがホラーにありがちなものがほとんどない
ホラー映画はそのほとんどがB級だがこの作品は違う
グロくはないので子供が観ても全く問題ない
家に霊が棲みついている話だと『アザーズ』の他に『シャイニング』を思い出す
邦画だと最近は『事故物件』が公開された
日本の映画監督も『アザーズ』を見習うべきだがホラー映画としては変わり種
こういう作品はホラーの主流にはならない
評論家には高く評価されたようだがホラー映画ファンが求めるものではないと僕は思う
日本の幽霊には足がない
アメリカならマイケル・ジャクソンの『スリラー』のPVのようなゾンビ
異形に対する恐怖がホラー映画の本来あるべき姿であり『アザーズ』ははっきりいって邪道
だけど嫌いじゃない
大どんでん返しとキャスト陣の演技力の高さがあってこそこの作品は成立する
アガサ・クリスティーの推理小説のような大胆なオチだが悪くない
子供のころ目が覚めたら両親が茶の間で泣いていたので「どうして泣いているの?」と聞いたら「お前は死んだんだよ」と言われた
そんな夢を見たことを思い出した
ニコール・キッドマンは意外とデカい
冨永愛よりデカいんだから相当なものだ
製作総指揮としてこの作品に参加していた元夫トム・クルーズはアメリカ人男性としては小柄で170センチだが2人の身長差はそれ以上に感じたものだ
美しいホラー
グロなど過激演出がないだけで大変に好印象。
死の世界への敬意すら感じる。
なにせニコールキッドマンが、形の綺麗な黒のワンピースをきて幼い子供達と共に美しい洋館にいるだけで絵的にバッチリ。そして、言葉選びや展開運びも秀逸で美麗。
特に印象に残ったのは、新しくきた使用人達に家の案内をするシーン。淡々と決まりごとを述べ無駄のない動きで扉の鍵を閉めロウソクを灯すニコールキッドマンの指先。そして、「この家で動くのは、光だけよ」という言葉。そのシーンを見るだけでも私には価値のあるものでした。
最後まで視聴者に疑念や憶測をさせ続け、「もしや、こうでは」「きっとこうだ」といくらでも湧いてくるようなアイテムをばら撒き、それを丸ごと紐で繋いで、思いもしなかった答えを目の前に広げられた時の感動。そしてその答えが出た時の物悲しさまで美しい。
エンターテイメント性はないし、ホラーも匂わせるばかりで物足りない人には物足りないのかもしれない。すぐもう一度見たいかと言われたらそうではない。
でも、美しい映画でした。
あっ!(察し)
全40件中、1~20件目を表示