オー・ブラザー!のレビュー・感想・評価
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【オカシナ3人組の脱獄囚のリーダー格の男が昔隠した、120万ドルを取り返しに行く面白きロードムービー。劇中3人組が“すぶ濡れボーイズ”として演奏するブルースやゴスペルが印象を高めています。】
■1930年代のアメリカ南部。
エヴェレット(ジョージ・クルーニー)、ビート(ジョン・タトゥーロ)、デルマー(ティム・ブレイク・ネルソン)の3人は刑務所を脱獄し、昔エヴェレットが隠した現金120万ドルを掘り出しに行く。
旅の途中、ギターのうまい黒人青年・トミーと出会った3人は、”ズブ濡れボーイズ”と名乗ってレコードを吹き込み、その曲が大ヒットをするのである。
◆感想<Caition!内容に触れています。>
・とにかく、面白いロード・ムービーである。
■3人組が、脱獄逃亡中に経験した事
1.銀行強盗の男の車に同乗させてもらいつつ、巻き込まれて行く姿。
2.3人が川で水浴する美しき女性達に惹かれ、酒など飲まされつつ良い気になって、気づいたら金はないし、ピートの服だけ残され、ガマガエルが出て来るシーン。
ー 無茶苦茶、可笑しい。残されたデルマーはそのガマガエルを大切に箱に入れるのであるが・・。-
3.途中のレストランで、見るからに怪しげなビッグ・ダン(ジョン・グッドマン)に聖書売りを勧められ、2人がノコノコついて行くと、ビッグ・ダンがへし折った枝で殴られ、散々な目に会うシーン。
ー で、ビッグ・ダンは、ご丁寧にガマガエルを握りつぶし、木に投げつけるのである。-
4.途中で仲良くなって””ズブ濡れボーイズ”の結成のきっかけとなった、トミーがKKKの結集で、吊るされそうになるシーンを見た3人が、彼を助けるために行動した事。
ー で、KKKの指導者は州知事選で優勢だったストークスである事が分かり、劣勢だった現知事のハピー知事が喜ぶ姿。人種差別はイケないね!。-
■途中、エヴェレットが元妻ペニーと7人!の娘達と偶然に会った後に、ピートとデルマーに言った事。
”すまん。金はないんだ。妻に会いたかったんだ・・。”
で、3人は保安官に捕まって、吊るされる寸前に、金を隠していたとエヴェレットが言っていたダムの水が放流されて、全てが流されるシーン。
<コーエン兄弟の作品は、まだ全て観た訳ではないが今作も安定した面白きロード・ムービーコメディである。
良くまあ、あそこまでの面白き脚本を書き、面白き映画に仕立てあげるものであると、改めて感じ入った作品である。>
珍道中
現職のただならぬ横柄さと癒着ぶりに対抗するのは新しさを背負う快活な革新者。実はKKKでゴリゴリの差別主義者。隠すことなく革新と人種差別がイコールで結びついていたミシシッピ。しかし真の新しさには見る影もなく追い落とされる。ちゃっかり漁夫の利をえんとする現職の腰フリフリ。しかし、you are my sunshine を振るときの相変わらずの上からの物言い。ただものではない仕込み方。凝っていて、話の本筋から目をそらしてしまう。
三者の戯けた珍道中。そう言いたくなるような古典っぽさが漂う構成。冒頭の視覚障がい者と同じ場所に辿り着く教示的なストーリー。少し考えたくもなる。
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