オー・ブラザー!のレビュー・感想・評価
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脳以外全部サイボーグ化したオデュッセイア(何言ってんの)
劇場公開時鑑賞。
今から振り返ると、クルーニーはじめコーエン兄弟作品常連の演者に、撮影はロジャー・ディーキンス、音楽は『ミスター・メルセデス』の主題歌の人と、食いつくポイントが多いが、当時は笑っていいのかそもそも笑うところなのか、よく分からず困惑したのを覚えている。
ジャンル不明、好き嫌い真っ二つの麻薬映画
紹介ではコメディになってますが、少なくともコメディではありません。
喜劇なら人を笑わせたり幸せにしたりしますが、この映画は観ているひとを笑います。
一応の大筋はありますが、話が脈絡なく飛んだり、支離滅裂だったり、突然変な人たちが出てきたり訳わかりません。ジョークだかギャグだかも全く面白くないし。
但し、コーエン兄弟のあの表現しようのない摩訶不思議な雰囲気が好きな人には麻薬中毒効果抜群です。一方で、なんだかサッパリわからなくてムカつく、という感想を持つ人が多いのも大いにうなづけます、少なくとも人に安心してオススメできる作品ではありませんが、ハマる人にはど真ん中にはまります。
T・ボーン・バーネットの「音楽手腕」
中西部出身の コーエン兄弟が 「オデュッセイア」を下敷きにした、脱走犯三人組のアメリカ南部を巡る ロードムービー(珍道中)
悪魔(追っ手)の怒りを買い、ずぶ濡れになりながら 地獄の猟犬に追われ、「ずぶ濡れボーイズ」として歌を歌いながら、宝をめざして逃走する
途中 宗教団体、水辺の美女、
トミー・ジョンソン(伝説のブルースマン)、
ジョージ・ネルソン(強盗)、K.K.K.等に遭遇しながら エベレット(クルーニー)が 愛する妻の元に たどり着く、という物語
個人的には「セイレーン」を想わせる 水辺の美女達の妖しさと、K.K.K.の儀式が、(北朝鮮の)マス・ゲームみたいで 笑えた!
あと「黒人」で その上「十字路で悪魔に魂売って、天才になった」伝説のトミーが K.K.K.に 取っ捕まるのも、何やら 可笑しい
これらの珍道中に 南部の音楽 ジャズ、ゴスペル、
ブルース、カントリーが絡み、素晴らしい!
大御所 T・ボーン・バーネットの 手腕に唸るばかりである(サントラ 欲しい!)
最後は 地獄の猟犬も奔流に流されて、一件落着である
私は ブルースと その歌詞に惹かれた
(詳しい人は もっと可笑しいかも… )
各方面で影響のある、古代ギリシャ叙事詩「オデュッセイア」を あんまり理解してないのでダイジェスト版みたいなのを 探して読んでみたい
(セイレーンだけは わかった)
アメリカ人の感じる、アメリカ南部の「笑いのツボ」みたいなのを 全部は理解できないだろうな… とは、思わされた
コーエン兄弟が 手際よく まとめ、クルーニー、
タトゥーロ、ネルソンの 脱獄三人組も 何だか、
とっても楽しそう!
結構、好き!
気持ちが 下向きの時に「なんとか、なるさ!」って 思わせてくれる映画です
話の焦点が絞れない
ロバート・ジョンソンに"ベビーフェイス"・ネルソンやKKKと実在の人物に団体で繰り広げられるコミカルなコメディでありドタバタ劇。
緊張感の無い逃走劇とあまり笑えない三人のキャラクターに起こる出来事の描写に演出とコーエン兄弟にコメディ路線は不向きかと!?
J・グッドマンとタトゥーロはさすがコーエン兄弟の常連なだけあって良かった。
シンッワ?グウッワ!
おっさんよ神話になれ。
おっさn「あ〜マジ困ったこのままじゃ死ぬわ』
神『しゃあねえなあ、よいしょ!』
あっさん「うわ〜」
おっさn『わーい』
専門用語で、デウス・エクス・マキナというようですはい、
いきあたりばったりの脱走もの
古き良きアメリカなんでしょう。
ぱっと見彩度のない映像処理には少々落胆する。
関連性のないエピソードをつなげて、あとはユーモアのセンスで仕上げた感じ。
風刺とまでも行かないだろうし肩の力を抜いて作った娯楽作品なんだろう。
だて男
愛らしい3人組のグダグダ珍道中を描いたロードムービー。
何よりも歌が良かった!
カントリー調の曲をベースに60~70年代のアメリカを映し出す。
内容はぶっちゃけ可もなく不可もなく、ただただ3人の可愛らしいやりとりが続く。
ジョージ・クルーニーの"だて男"整髪料への執念がツボでした笑
コーエン兄弟、得意の作風
おかしな世界と現実の世界が同居する。
それでいて不自然じゃない。
笑えるのに軽くない。
コーエン兄弟の作風がもろに反映された作品だ。
まず、乾いた質感とクラシカルな感覚を出させる画造り。
髪の手入れは欠かさないがどこか抜けているダメ男に意外や意外ハマってしまうジョージ。
何作目でも前衛的な姿勢を崩さず独特の切り口で作品を作りあげる彼らの映画愛は並々ならぬものだ。
「オデュッセイア」を元にしながら、人生観にまで視点を広げる創造力が素晴らしい。
また、彼らの最大の上手さは編集の技術にあると思う。
映画がだれそうになるポイントを押さえていて、的確に締まる画を入れてくる(しかも、「オデュッセイア」に絡めて)。
簡単そうに見えてなかなか真似の出来ないアイデアがコーエン兄弟印だ。
なんと懐かしい・・
コーエン兄弟が監督ということもあり独特のユーモラスがところどころにちりばめられておりストーリーどうこういうよりもみているだけで初めて映画をみて興奮した純粋な面白さにであうことのできる作品。
一人ひとりが個性豊かなキャラクターでいろどられているとこもよい。
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