「T・ボーン・バーネットの「音楽手腕」」オー・ブラザー! jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
T・ボーン・バーネットの「音楽手腕」
中西部出身の コーエン兄弟が 「オデュッセイア」を下敷きにした、脱走犯三人組のアメリカ南部を巡る ロードムービー(珍道中)
悪魔(追っ手)の怒りを買い、ずぶ濡れになりながら 地獄の猟犬に追われ、「ずぶ濡れボーイズ」として歌を歌いながら、宝をめざして逃走する
途中 宗教団体、水辺の美女、
トミー・ジョンソン(伝説のブルースマン)、
ジョージ・ネルソン(強盗)、K.K.K.等に遭遇しながら エベレット(クルーニー)が 愛する妻の元に たどり着く、という物語
個人的には「セイレーン」を想わせる 水辺の美女達の妖しさと、K.K.K.の儀式が、(北朝鮮の)マス・ゲームみたいで 笑えた!
あと「黒人」で その上「十字路で悪魔に魂売って、天才になった」伝説のトミーが K.K.K.に 取っ捕まるのも、何やら 可笑しい
これらの珍道中に 南部の音楽 ジャズ、ゴスペル、
ブルース、カントリーが絡み、素晴らしい!
大御所 T・ボーン・バーネットの 手腕に唸るばかりである(サントラ 欲しい!)
最後は 地獄の猟犬も奔流に流されて、一件落着である
私は ブルースと その歌詞に惹かれた
(詳しい人は もっと可笑しいかも… )
各方面で影響のある、古代ギリシャ叙事詩「オデュッセイア」を あんまり理解してないのでダイジェスト版みたいなのを 探して読んでみたい
(セイレーンだけは わかった)
アメリカ人の感じる、アメリカ南部の「笑いのツボ」みたいなのを 全部は理解できないだろうな… とは、思わされた
コーエン兄弟が 手際よく まとめ、クルーニー、
タトゥーロ、ネルソンの 脱獄三人組も 何だか、
とっても楽しそう!
結構、好き!
気持ちが 下向きの時に「なんとか、なるさ!」って 思わせてくれる映画です