ナイロビの蜂のレビュー・感想・評価
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最後がよくわからんかった。
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イギリスの製薬会社がアフリカで人体実験のような事をする。
試験が不十分で人体に害があることが後にわかった薬も、そのまま出荷。
アフリカで大量に人が死んでも自分らには害がないという身勝手さ。
アフリカの人命よりも自分達のコスト削減を優先しているのである。
それをかぎつけ、調べてたのが主人公の妻のテッサ。
しかし裏の組織に狙われ命を奪われる。
これを機に外交官の主人公が後を継いで調査を開始する。
調査するうちに、自分に対する妻の愛がいかに深かったかを知る。
多くを語らなかったのも、自分に対する心遣いであった。
妻の死の真相を暴くためにも執念の調査は続く。
手を引くように何度も警告があるが、無視して突き進む。
そしてついに証拠をつかみ、親友に手紙を送る。
結局殺されるが、親友が彼の葬式でこの手紙を朗読。
製薬会社のトップが、これによってついに追い詰められた。
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発展途上国で何が起ころうが、先進国の人間は可哀相と思うだけである。
その無関心さをいいことに、発展途上国を食い物にする官僚や会社が存在する。
その人道的犯罪を暴くには犠牲が必要ということを思い知らされる。
誰しも自分達に直接利害のない事に対しては一歩を踏み出せないもの。
ところで何故主人公は最後に飛行機を降りたのか?
葬式で語られてたように自ら死を選んだのか?どうせ殺されるから?
そのあたりがよくわからなかった。
アフリカの裏側
「ブラッドダイヤモンド」と同様、アフリカの闇を描いた傑作。
だんだん見ていて辛くなるが、引き込まれる映画である。殺された妻や主人公が訴えようとしたことを実現するためとは言え、最後の主人公の選択はあまりにも切なすぎる。「ブラッドダイヤモンド」のラストは自己犠牲の美学にある種の感動を覚えたのであるが、同じ自己犠牲でもこちらのラストは何故か虚しさを感じた。なぜだろうと考えたが、「ブラッドダイヤモンド」の主人公はもともとは悪者だったので一種の罪滅ぼし的な要素があったのかもしれないが、こちらはごく普通の人だったので、2人の人間性の違いによる結果だったかもしれない。
データ捏造
まさか!テッサ(レイチェル・ワイズ)がいきなり死ぬなんて・・・ひょっとすると双子の妹が現れてジャスティン(レイフ・ファインズ)の調査を手伝うのかと思ったよ・・・
ジャスティン・クエイルはガーデニングしか趣味のない平凡な男(と言っても英国外交官だからそれだけでも非凡なんですけどね)。彼はイラク戦争に憤りを感じている勇気ある活動家女性テッサと結婚し、ナイロビに住む。そして、アーノルド医師とともに北のロキへ飛び立ったテッサがトゥルカナ湖で殺害されてしまうのです。一緒に殺された黒人男性がアーノルドではないとわかると、周囲の情報から「妻がアーノルドと不倫していた」ことを疑ったりするものの、彼女との真実の愛を信じて独自の調査を始めるというストーリー。
いきなりの展開に驚かされましたが、テッサとの美しい記憶映像が所々で挿入され、疑念のためぐらついたジャスティンの心も軌道修正したのでしょう。何しろアフリカ・ケニアの人たちに愛をもって接し、大企業や政府の汚職などの悪を憎むテッサ。不倫などするためにアフリカに渡ってきたのではない。ほんの小さな力が社会悪を告発し、製薬会社の人体実験のような治験をやめさせようと頑張っていたのだ。彼女を信じようと、非力ながらも身を粉にして行動するジャスティンはまるで公務を忘れ去ったかのようだった・・・
日本の製薬会社でも新薬開発には巨額を投じる。開発費だけでも100億円を超える薬などざらにある。実際に臨床治験する段階になっても、データを集めるためには医師に支払う治験料が莫大なので、アフリカで何も知らない人たちに投薬するのはかなり効率が良いのかもしれない。しかも、不充分な医療施設の中にあっては、データ捏造などが容易く行なえそうだ。また、承認されてない新薬を賄賂によって使用するなど・・・
社会派サスペンスとしては、主人公が狙われすぎという感がどうしても拭えない。そこまでアフリカだけなら、殺し屋を雇うにも賃金が安くて済みそうだけど、ヨーロッパでの執拗な追跡劇をみると、権威ある医者に金をつぎ込んだほうが効果があるのではないかと思ってしまいます。ましてや抗結核薬ですからそれほど巨額の富を生むとは思えないし、それなら開発中止にしたほうが採算面で釣り合うような気がします。エイズの特効薬だったらよかったのに・・・
レイチェル・ワイズはオスカーを取っただけあって素晴らしい演技。特に、自分の子が死産だったという現実に対して悲観に暮れずに、他人の子へ愛情を注ぐシーン。涙を溜めながら前向きに生きていこうとする姿は感動的。もちろんお腹も素敵でした。そして、ビル・ナイやピート・ポスルスウェイトの脇ながら存在感のある演技は当然なのかもしれませんが、サンディを演じたダニー・ヒューストンが良かったです。
ちょっとだけ不満だったのは、ジャスティンが最後に取った行動がテッサの後を追おうとしたところ。実際には何者かに殺されたとわかるのですが、彼女の人生を理解したのなら捨て身の行動は取っちゃいけないと思うのです。もしかすると、飛行機でひとりの子供を救えなかったことに自分の非力さを思い知らされたことが原因なのか・・・
【2006年5月映画館にて】
あの日の妻に重なる瞬間
亡くなった奥さんの軌跡を辿る物語。
お互いを尊重していたつもりが、結果的にすれ違いを生んでしまっていて、曖昧なまま妻テッサを失ってしまったジャスティン。
テッサがどうして死んだのか。
それは理屈には合わないことだが、生前のテッサの行いを辿るうちに、いつか自分に"目の前の1人を救って"と懇願したテッサと同じ願いを抱くまでになったジャスティスは、そのまま殺されると知りながらもテッサと同じ道を歩んだ。
何もないトゥルカナ湖がその愛ゆえにとても美しく感じた。
アフリカの貧困も、命が軽んじられる事も、差し伸べられる手にあるのは優しさばかりではないこともきっと事実で胸が痛くなるけれど、広大な景色も、子供たちの笑顔も、逞しく生きる人々も本物で、物語も情景も美しく感じる映画だった。
社会派かもしれないけどこんなワガママな女イヤ と序盤は激しく思った...
社会派かもしれないけどこんなワガママな女イヤ
と序盤は激しく思ったけど
その後 種明かしが進み気持ちが薄れて見やすくなる
旦那は優しく情熱的で素晴らしいな
そして悲しい終わり
本当に現実にこんなことがあるんか…
帰る家は無い テッサが僕の家だ
【ナイロビの蜂:おすすめポイント】
1.ジャスティン・クエイル役レイフ・ファインズの妻テッサへの愛情の深さが最強!!!
2.ジャスティン・クエイル役レイフ・ファインズとテッサ・クエイル役レイチェル・ワイズの絡みやセリフが何ともいい!!
3.ラストシーンは泣ける!!
4.ジャスティン・クエイル役レイフ・ファインズが真実を徐々に解明していく、わくわく感が良いなぁ!
【ナイロビの蜂:名言名セリフ】
1.ジャスティン・クエイル役レイフ・ファインズの名言名セリフ
→「この何万人もの貧困層を助けるなんて とても無理だよ 」
→「僕がつきとめる」
→「テッサ 君はどこに‥」
→「帰る家はない テッサが僕の家だ」
→「家に帰るよ 君の元へ‥」
2.テッサ・クエイル役レイチェル・ワイズの名言名セリフ
→「私もアフリカに連れてって」
→「イエス?オア、ノー?」
→「あの少女も薬さえあれば 死ななかったわ‥」
本質を見失うな
個人的に好きでは無かったのでこの評価。
強大な権力、社会に立ち向かう勇敢な奥様。そのせいで命を落とし、夫は妻の不振な死に疑問を抱き、かつて妻が立ち向かっていた権力に自らも向かっていく・・・
最後、夫婦共に死んでしまうがそれと引き換えに悪事は暴かれる。
自分には全く関係のない国の、大勢の人は救われたかもしれないが、深く愛し合った夫婦の命は意図も容易く落とされるところに(自分の一番大事なものは守れずそれでいいのかな)とモヤモヤ。
劇中よく出てくる「この国の人たちの生き方や生活に干渉はできない」というセリフ、目の前の数人を助けてあげて自分の気持ちは満たされるかもしれないが
それはエゴでしかなく、国まるごとまで助けようとした夫婦は結局死んでしまっているのが気分わるい。
映画はとても良かったですよ。でも悲しすぎるので2.5。
アフリカに殺人事件などありません。
映画「ナイロビの蜂」(フェルナンド・メイレレス監督)から。
(10年ほど前の)アフリカで暮らす、
英国外務省一等書記官ジャスティンと妻テッサ。
彼らは、文明社会がアフリカ人をモルモットして、
新薬の研究をしていることを知り、大きな敵に立ち向かう。
物語の最後に、そんな悲惨なアフリカの状況と、
先進国の残酷さを伝えるメッセージが語られるシーンがある。
「アフリカに殺人事件などありません。
『痛ましい死』があるのみ。
そのような死を超え、文明社会は利益を得ます。
利益はたやすく得られます。
彼らの命は、あまりにも安いからです」
「世界中がアフリカを食い物に・・」というフレーズで、
胸が痛くなるのを感じた。
彼らの犠牲の上に、私たち先進国の人たちが生きていることを、
どれだけの人が意識しているだろうか。
これは想像の話ではなく、現実なのかもしれない。
外交官の夫が寝ている様子を、妻がビデオで映しながら、
こんなメッセージを添えている。
「(夫は)理想の世界を夢見て眠ってる。
彼の理想の世界とは・・雑草のない世界よ」と。
そして彼女は、ガーデニングを趣味と言いながら、
「雑草を抜かなくちゃ」と、大きな権力に戦いを挑み亡くなる。
この結末に、やるせない気持ちで観終わった。
まさか、エイズの治療薬も「アフリカ」で試してないよね。(汗)
ここにある一つの命
今後更に伸びる市場の一つの製薬会社が、国家ぐるみでアフリカの人々をモルモットにしているという物語。現実にありそうな恐ろしい話。いや、今やアフリカだけではなく、世界中で新薬の治験を内密に行なっているのかもしれない。
ラブストーリー仕立てになっていますが、作品の肝は、組織と個人の関係性にあると思いました。
組織に属するということは、考え方の根本が組織の理屈になります。外交官のジャスティンは物語の序盤、組織の理屈で物事を判断していました。例えば、テッサが提案した、1人の子供を遠い村まで車で送ることを断ります。1人の子供を助けても意味がないと。
しかし後半、組織から離れひとりの人間になった時に、「今ここにある一つの命」を救いたいと行動を起こします。ジャスティンはテッサの行動をこの時に初めて理解出来、そして「理屈」が変わったのです。青くさいかもしれませんが、1人の人間によって、1人の人間が変われたのです。
「アフリカには殺人事件はない、痛ましい死があるだけだ。」
一つの、いや多くの命を踏み台にしているからこそ、存続している組織。多国籍企業と先進諸国。個人の「理屈」が変われば、存続ができなくなるかもしれない、そう思いました。
骨太映画でした
ラブストーリーを軸にしてますが、しっかりした内容のある映画でした。ラストは悲しかった。別のサイトのレビューでこの映画に対してかなり辛らつに評しているコメントを見ましたが、この内容をストレートに映画にして誰が見ますか?アフリカの現実とアフリカの貧しい人たちを利用している大企業(製薬会社)の話を。ラブストーリーがらみにして多くの人に見てもらうことがこの映画を製作した人のねらいでしょう。それにしても「アンビクタス」もそうでしたが、アフリカの歌ってなんか心を揺さぶられます。
ドキュメンタリーのよう
見ていてかなりつらい場面があった。おそらくこれが現実なのだろうが、目の前にいる一人を救うことができないつらさを思った。
今の市場帝国主義ともいえる世界の状況を浮き彫りにした映画だと思う。
愛の力で無謀にも巨大組織に挑んでいく
総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 70
ビジュアル: 75
音楽: 70
薬の開発には巨額の資金と年月がかかる。だからそれに関する利権も相当に大きなものになる。アフリカで医療援助をしているように見せて、実はしっかりと新薬の実験をしているという裏にある陰謀というのも、比較的わかりやすくて良い設定だと思った。こういう問題もあるのだという社会に対する提起という意味で、良い作品の主題である。そしてそのようにして開発された薬を知らず知らずに使っているのは我々であろうことも、出来れば物語に含めて欲しかった。
そして企業や組織は利益のためにはとても怖い存在になりうるというのが面白い。個人の力では通常は勝てないという意味で、この映画は現実的である。たった一人で巨大組織に立ち向かって勝てるのは、ハリウッドの娯楽アクション映画だけであるし、これは娯楽アクション映画ではない。普通の外交官には、仕事だけでなく命すら失いかねないわけであって、国家権力と結びついた巨大企業はとてつもなく恐ろしい存在である。
しかしただ勝てないだけでは空しさが残るのだが、本来ならば不必要であろう壮大な大自然を二人の死に場所としてわざわざ背景にして、二人の愛の姿を持ち込んで結末にする。そして陰謀を明らかにして二人の死が無駄ではなかったとすることで、物語に救いをもたらしている。彼は途中で全てに目を閉じて調査を止めることも出来たのだが、結局亡き妻の姿に後ろを押されて敢えて危険に挑んだ。脅されても襲われても死ぬかもしれないと思っても止めなかった。陰謀と不正の暴露と社会への提起と愛の姿、そんなものがうまく詰め込まれてまとめられた映画でした。
一つ疑問が残る。薬の副作用で死者が出れば、いかにデータを誤魔化して薬の承認と発売に持ち込んだとしても、その後もやはり副作用で死者が出るだろう。そうなれば薬の発売中止や損害賠償などで、結局後々に莫大な損害が出ることになるだろうことは容易に想定できる。それならば何故そんなことをするのだろうか。とりあえず引くに引けなくて、エイズの薬害事件のときみたいに後のことは後で考えるということなんだろうか。
俳優陣の好演で大人の映画になっているのかな。
大好きな俳優、レイフ・ファインズとレイチェル・ワイズの共演ということで観なきゃダメでしょ、と思いつつリアルで観る
タイミングを逃しやっと観ました。
ストーリー展開は無理があるんですが、
サスペンスとラブロマンスがかなり混ざった社会派映画として
成り立っているようないないようないるような。
壮大なアフリカの自然をバックにした音楽がずるいんですよね(笑)
最後のどんでんがえし(黒幕の上司の悪行がばれる場面)には結構
無理があると思うのですが、主人公夫婦は救われたのかどうなのか。
事なかれ主義だった夫が妻の死をきっかけに激変して
勇敢な男になっていくところが面白いかも。
実際にこんな夫婦いてもやっぱり抹殺されちゃうんだろうな、
と余りにも一般論過ぎますが、世の不条理はそれなりに感じました。
あと、ピート・ポスルスウェイトが思いがけず出てたりして
ラッキー!って思いました。
なぜ、ハリウッド映画に豪華イギリス出身の俳優陣が?!
と思って調べたらこれ、イギリス映画だったんですね。
失礼しました。。。。
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