「「スピルバーグ映画に見る物なしの」ミュンヘン kisumixさんの映画レビュー(感想・評価)
「スピルバーグ映画に見る物なしの
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食わず嫌いをやめて、この作品だけは観ておいても良いかもしれない」
スピルバーグにしてはよくできた作品。主人公はエリック・バナ。まだボンドになる前で髪を伸ばしているダニエル・クレイグも意外と好演。1972年のミュンヘンオリンピック事件と、その後のイスラエル諜報特務庁(モサド)による黒い九月に対する報復作戦を描く。自身がユダヤ人故の僻み根性からスピルバーグの政治モノは大抵一方的視点からの穿った描写で観ていて途中何度も嫌気が差すのが当たり前だが、この作品では冒頭のシーン以外で敵が悪いことをする描写がなく、結果的に「悪いことをしていないように見える一般人を一人ずつ順に殺して行く」シーンの積み重ねになり、戦争に善悪がないことを浮き彫りにしているという点、更には「どうやって捜すかか」「どうやって殺すか」「どうやって逃げるか」といったクライムアクションのような見せ方をしているという点で、最後まで違和感なく進行して行く。
アカデミー賞5部門にノミネートされたが全て逃しているので、やはりスピルバーグ映画に見る物なしとも思うが、この作品だけは観ておいても良いかもしれない。
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