「こんな道の先に平和はない」ミュンヘン アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな道の先に平和はない
セプテンバー5を観て、改めてこの映画を見ることにした。
ミュンヘンオリンピック事件は1972年。今は2025年。イスラエルとパレスチナの戦争はいまだ続いている。ガザ停戦も一時的なものだろうから、この復讐の連鎖は果てしなく続き、終わりなど見えない。
ミュンヘンオリンピックの事件は領土(人々が生活する土地)の奪い合いの果て、相互の憎しみの増幅がもたらした戦争(殺し合い)であり、パレスチナ側が世界に知らしめる為に起こした象徴的な事件だった。なので、その後も復讐の連鎖は続き、イスラエルは首相の指示でこの事件の首謀者を殺害する命が、映画の主人公を含む5人に下った。殺しの経験などない5人だったが、1人2人と殺害を実行するなかそれは日常となり不思議な連帯感も生まれてきた。しかし、そんなことがいつまでも続く訳もなく仲間も1人2人と報復を受けて死に絶えていく。
祖国と同胞と家族を守る為の殺戮?そんなものある訳ない。世界屈指に頭の良いユダヤ人。もう、いいかげんにしたらどうか?
「こんな道の先に平和はない」と主人公はラストシーンでかつての上司に言い放つ。その通りである。
コメントする
岡崎仁さんのコメント
2025年3月30日
本作の私のレビューに共感いただき、有難うございます。
かなり遅ればせながら、この場を借りてお礼申し上げます。
アベちゃんさんも仰る通り、本作の中心は復讐の連鎖ですよね。
この問題を、映画という手段で見事に表現した作品だと思います。
個人的に反応は遅いですし、拙文だらけのレビューで恐縮ですが、今後ともよろしくお願いします。