劇場公開日 2006年2月4日

「実に優れたサスペンスであり、大いなる挑戦だと思う。」ミュンヘン 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0実に優れたサスペンスであり、大いなる挑戦だと思う。

2024年11月17日
PCから投稿

史実を基にしたサスペンス・ドラマだが、鑑賞前に、イスラエル・パレスチナ問題の基礎知識や、当時の時代背景を知ったほうが良いと思う。オランダ人女性ジャネット役は、マリ=ジョゼ・クローズやね。

黒い九月事件から、標的を1人づつ暗殺する報復作戦の過程は、実にスリリングで、見ごたえがある。しかし、一般人が巻き添えになる一方、更なる報復から、暗殺メンバーも、1人づつ殺される。

物語の軸は、暴力の連鎖だ。暴力は更なる暴力を招き、関係の無い人まで巻き込む。主人公は、疑問や葛藤を抱く。観客も、もどかしさを感じずにはいられない。

本作は、イスラエル・パレスチナ問題の余波を取り上げ、繰り返される暴力の無意味さを投げかけている。1つの映画で答えが出る問題では無いが、スピルバーグが観客に問いかけたこと自体が、大いなる挑戦だと評価したい。

瀬戸口仁
Mさんのコメント
2024年11月17日

ごく普通の人がテロリストであり復讐者でしたね。

M