マジェスティックのレビュー・感想・評価
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ミストと同じ監督とは思えない
町の人が自分をルークだと勘違いしているシーンを見たとき、「渚の果てにこの愛を」を思い出したのはたぶん私だけだろう。今現在、その映画のレビューを書いているのは私だけだから。
それはともかく、ラスト、流れから言って、絶対彼女は駅で待っていると思っていた。ただ、てっきり1人で待っていると思っていたら予想外の展開に。「幸福の黄色いハンカチ」でハンカチが1枚と思っていたら、違っていた感じかな。
最後のキスシーンからエンドロールに流れるナット・キング・コールが歌うI Remenber Youが、ハッピーエンドの余韻にしたれるいい雰囲気を醸し出している。ちなみに駅に着いた時は、「シング・シング・シング」が多分地元の吹奏楽団によって演奏される(確認はできなかったが)。
途中まで、もしかしたらファンタジー映画かなと思う展開だったが、その後リアルな話となり、最後の聴聞会の彼の演説からラストまでは一気に感動を盛り上げてくれた。
記憶喪失ものの傑作「心の旅路」が、記憶を取り戻した瞬間、彼女が自分の妻だったことに気づく感動のラストとなるが、この映画では彼女とは赤の他人であったと分かって彼女が去ってしまうシーンは、ちょっと切なかった。ただ、このことによって最後のハッピーエンドへの展開がより効果的になったのは間違いない。
<その他>
主人公が乗っていた車(川に落ちてしまうが)が実にきれいなクラシックカー(ベンツ?)だった。
In a place like this, the magic is all around you. 映画館って良いよね。
監督が「ショーシャンクの空に」のフランク・ダラボンって事を知らずに観た本作。そりゃ面白かったはずだ‼️
今はVODが発達しちゃって家でおもいっきり気軽に映画を楽しめる世の中じゃないですか?言うならレンタル店にすら足を運ばず、それこそディスクの出し入れで動く事すらしないで家でゴロゴロした状態から直ぐに映画が観られる生活。タブレット使えば座る事もなしで映画が観れるというグータラする事が好きな人間には最適な環境だったり。もちろんそれはそれでメッチャ恩恵を受けているのですが、それでも映画館で観る事って格別だと思うんですよね。個人的に映画館に行くのは大好きなので、映画館とそれを取り巻く町の人々の再生を描いた本作が自分にヒットしない訳がない!特にあのハリーが映画館の素晴らしさを語るシーンが良かったです。
で、ジム・キャリーが良いんですよね。元々コメディアンでオーバーアクトするのも大好きなんでしょうけど、本作ではグッと押さえたシリアスな演技で。コメディアンって演技の幅が広いって思っているんですけど、こういう作品観るとジム・キャリーって演技上手いよなぁっと思います。
言うなればめちゃめちゃ王道で、物凄いインパクトのあるストーリー展開とかではないのですが、こういったストレートな作品って心に染みますよね。親子の再生、恋愛の再生、町の再生、アメリカ国民としての権利の再生。色んな再生の物語が詰め込まれてる本作。日本人の私が観ても十分面白かったので、もしアメリカ国民だったらもっと楽しめたのではないかと思いました。
でも、ルークの声がマット・デイモンだったのにはビックリ‼️
久々の五つ星
ジムキャリーの映画は全部観たつもりでいたのに、こんな良い映画を見逃していた!
ジムキャリー、大好きなのに!!途中、いつものジムキャリーらしいシーンが出てきて益々楽しくなってくる。ピアノのシーンとか。とにかく観て!心温まる映画。
※ここからはネタバレあり
お父さんが事故の記事が載っている新聞を読んでいるシーンがある。一面の様だしきっと読んだに違いない。実はお父さんもジムより先に勘付いていたのでは?何度も観ているうちにそう思い始める。事故前まではジムは「長い物には巻かれろ」的な人だったのに、この街に来て様々な人と触れ合い、何より彼女アデルからの影響で信条を変えず自分の意見を言える人に。愛が溢れる街、縁もゆかりもないけど皆心良く受け入れてくれて最高のラスト!!
これは名作
記憶喪失ものはいくつもあるけど、時代背景は戦後、ヒステリックなレッドパージの嵐、朽ち果てた映画館の復活、ラブロマンスを色々からめて、素敵にまとめている。
アメリカの自由と正義を問い掛けるスピーチは締めたな。嘘から始まった真、最後にきちんとメッセージを残し、観客の胸を打った。
大人のファンタジー
ハリウッドにしてみれば屈辱の黒歴史、レッド・パージの話に絡めて失意の主人公を人違いとは言え温かく迎えてくれたローソンの町の住民との人情物語を奇をてらわず堂々とそして極めてベタに描いています。ローソンは素敵な街並みで行きたくなりますがファーンデールをモデルにした架空の町、マジェスティック劇場もセットでした、残念。
ストーリーも単純明解、キャラクターもごく自然、こういう人いるよなと思えるか善人ばかりで嘘っぽいと思うかは微妙ですがある種大人のファンタジー映画と思えば良いのでしょう、今どき貴重です。
ジム・キャリーもコメディアン演技を封印して好演です、脇も渋いところで固めているので安心して観ていられます。冒頭のスタジオ幹部のシナリオいじりから終わりの同様な直しのシーンにひっかけるハリウッドの自虐ネタは受けました。ラストのナット・キング・コールのI Remember Youの被せ方も絶妙であまりのオーソドックスさに思わず笑みがもれました、普通は恥ずかしくてここまでベタには作れる監督はなかなかいない、と妙に感謝感激です。
名匠フランク・ダラボンが、映画に向けて送った熱いラブレター
1951年、赤狩りの横行するハリウッドの若手脚本家ピーターは事故により記憶をなくしてしまい、ある勘違いから田舎町ローソンで映画館復興のために働き始めるようになるのだが…というヒューマン・ドラマ。
監督/製作は『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』のフランク・ダラボン。
主人公ピーターを演じたのは『マスク』『トゥルーマン・ショー』のジム・キャリー。
フランク・ダラボン監督作品ということで鑑賞。吹き替え版での視聴です。納谷悟朗さん最高!
『ショーシャンクの空に』や『グリーンマイル』に比べると圧倒的に知名度が低い気がする本作。興行収入も大コケのようですね…
しかし、流石ダラボン作品。クオリティは非常に高い!『ショーシャンク』と比べても遜色のない素晴らしい映画でした。
ハリウッド黄金期を思わせる夢と希望に溢れた堂々たる王道映画。
そのためシナリオには意外性は無いが、これこそが映画だと思わせてくれる力強さを感じさせてくれる。
直球ど真ん中の王道ハッピーエンドではあるが、決して毒にも薬にもならない作品ではない。
ハリウッドで一流脚本家になることを夢見る主人公ピーターが理想とする映画、「痛み、尊厳、人間の本質、真実…」というテーマを映画中で完全に体現している。
ジム・キャリーといえばコメディー役者のイメージだったが、本作での演技は素晴らしかった。
軽薄で信念を持ち合わせていない小金持ちと、誠実で実直な青年を完璧に演じ分けており、こんなに良い役者だったのかと驚いた。
ハリウッドでの赤狩りという、正直日本人にはあまり馴染みのない事柄を描いているため、始めは少し飲み込みづらいとも思いましたが、人々との交流、夢のような恋、親子の絆、希望と信念といった人間にとって普遍的なものを描いており、予備知識がなくても全く問題なく楽しめると思います。
クライマックスでのピーターの演説は感涙もの。
体制に立ち向かい、自分の真実と信念を貫く主人公の姿には勇気をもらえます。
万人にお勧めできる、「映画の魔力」が詰まった傑作です!
これぞハリウッドなハッピーエンド!
ジム・キャリーの真骨頂とも言える、「そんなに上手くいくかよ〜⁈」的なハッピーエンドですが、これはこれでお約束なので、安心して観られます。
ラスト近くで戦死した兵士からの手紙を読むシーンで「悪に対抗するための戦争であり、我々は正しく素晴らしいことをしている」みたいな文言があり、戦争の正当化に思えて違和感を強く感じました。結果的には、「戦死した彼らの守ろうとしたアメリカは、共産党員を処刑しまくるアメリカではない!」という結論に落ち着くのですが、それでも当時から今に至るまで、アメリカはそういう正当性を持って戦争を積極的にしているのであり、その輪の中に日本が入るのは、やっぱり困ったことだなぁと感じずにはいられません…。
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