「はぐらかし」ライフ・アクアティック odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
はぐらかし
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海洋冒険映画かと期待したが出てくるのはリアリティのない残念な人達ばかり、いったい何をしたいのか、ダラダラした展開には閉口した、もっともそれがアンダーソン映画の持ち味と言えばそうなのだろう。
やっと一時間くらいして海賊襲来あたりからちょっとは観る気がでてくるがほぼビル・マーレイの独り舞台だから銃撃戦も嘘っぽくて、アクションシーンとも言い難い。
妊娠中のジャーナリストが鮫退治の船旅に同行取材というのも無理なシチュエーションだし主人公が可愛がる犬は3本脚、結局、飼う訳でもなく島に置き去り、人の気になることを承知で盛り込むのはSNSで俗にいう炎上狙いの口なのだろう。
肝心のジャガー鮫はラスト数分前にちょっとだけ姿をみせるが鮫に豹柄を張り付けた子供だましの造形、それを美しいという空々しさ、しかも何の緊迫感も無く見送って終わり、そもそも航海目的は親友を殺されたリベンジだったというのに拍子抜け。それではテーマは父子愛なのかと思ったが実は父は種無しなので他人の子、挙句に事故死というのでは意味不明、鮫も息子も尺稼ぎの気持たせだったのか。
フランスの海洋学者クストーをモチーフにトレードマークの赤いニット帽や船名まで彼のカリプソ号をもじったベラフォンテ号にしておきながら内容的には海は添え物程度、タイトルに「人生は海だ」と掲げたものの、この体たらくではクストーも浮かばれまい。
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