イノセンスのレビュー・感想・評価
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オーディオコメンタリー目当て。
Blu-rayやDVDでのオーディオコメンタリーが面白いです。押井守と西久保がコメントしててアニメの見方に役立ちます。
一応大作の予算で贅沢に作られたものですが、監督の押井があまりに独りよがりに作ったので意味が分からず初見では腹が立ちました。
しかし家でリピートしてるとBGM代わりに良いです。見慣れてくるとイラッと感も薄まってきて、マニアックな作りがツボにハマってきます。この映画はブレードランナーに影響を受けている山ほどある映画・アニメのひとつですが、そういった作品はほとんどが得てしてブレードランナーよりわかりやすくなっているのに対して、本作については同じくらいかまたはそれ以上に難解にしようとしています。それがうまくいっているかどうかは別として、ブレードランナーオマージュ作品としては珍しい部類の作品ではあるので、ブレードランナー感覚で見ていると心地よいです。
人形はなぜ人の形をしているか
ここまでくると悟りを開けそう
キム・マッスル尚美(なおみ)さんも心酔!押井守監督代表作で海外でも人気のSFアニメ!
こんにちは。キム・マッスル尚美(なおみ)です。
なんといっても、この映画は日本のアニメの中でも、
海外での評価が高いものになる押井守監督の代表作ともいえます。
むかし、キム・マッスル尚美(なおみ)が観たときは、
表現が怖いと思って、避けていました。
ジョジョを一瞬だけ観て、この画力と表現えげつないと思って、
避けていたのを思い出します。
今考えると、あの時のわたしなにやっってんだ!って感じですが笑
たまたま、この映画を観る機会があり、
最後まで観てみて、押井監督のこの世界観の虜になりました。
大人がみて楽しめる内容でもあります。
いつかこの私たちが生きている世の中にも、
起こりうる可能があるロボットと人間が住む世界、
いったい、どこがその境界線なのか、いつかわたしたちの世界がぶつかりそうな、
リアルな問題を題材にしており、深すぎて理解できない部分もあります。
けど、そのSFの世界観が大好きです。
以上、キム・マッスル尚美(なおみ)さんでした。
絵と音楽が最高
セル画とCGを巧みに組み合わせて映像美を追求したアニメに感動します。これはリアリティ追求し過ぎて、実写をも凌ぐほどの徹底ぶり・・・脱帽。アンドロイド、ガイノイド、セクサロイドといっぱい用語が出てきますが全てロボット(ゴーストを持たない電脳ロボット)だ。
ストーリーの根底はいたって単純で、ロボットが殺人、自殺するという前代未聞の事件を公安9課のバトーたちが捜査するというもの。しかし何故か肉付け部分がかなりのウェイトを占めてこの作品を複雑化しているのだ。特に登場人物の台詞の中には孔子の言葉や哲学者の名言を引用して比喩表現を多用。真剣に考えるとついていけなくなります。また、検査官ハラウェイとハッカー・キムが「何故人間は人間の姿をした人形を作りたがるのか」のようなニュアンスの問いかけをするものだから、観ている側は真剣に悩んでしまいます。
伏線として、「ロボット3原則」なるものがいつ破られてもおかしくない状況への警鐘・・・ロボットを作りすぎるなというメッセージが感じられます。また、バトーの電脳がハックされることの恐ろしさ、警察等の国家権力のネットワークが漏洩すると恐ろしいよ!なんてことも感じました。
電脳じゃないと理解できない
何度も見たくなる前作と、今作の違い
久々に見ましたが、この映画は押井監督の映像的な集大成であることは間違いなく、別の世界へ飛ばされるような雰囲気は最高です。
がっ、、、
映画として完成度が高いのはやはり前作でしょう。哲学的でありながらしっかりとクライム物、サスペンス物としてのエンターテイメント性を持ち、映像的にも想像を掻き立てる異様さと美しさがあり、何度も見ました(笑)
しかし、今作品は監督のノイローゼ臭が強すぎます。これまでに陰謀系や自我と魂系の作品を扱って来た途中で、あまりにそっち方面にのめり込みすぎてしまったのでしょうか(笑)
シリアスな作品とはいえ、前作には未来への憧れを感じられる雰囲気がありましたが、今作にはそれが無い。
哲学ゾンビでは無いですが、
『証明のしようが無い不安』に執着しすぎているように思えました。
映像的には申し分ないので、もっと映画として、攻殻としてのカタストロフィを押し出して頂ければ私は最高でした。
映像もセリフも芸術的
前作同様万人向けではない
押井守が伝えたいメッセージやテーマが前作以上に全面に押し出されている印象。
ただ、その部分があまりに強く出ているためかお話として、エンターテイメントとしては少し評価がし辛い作りであることは確かである。前作よりかは娯楽性が増した気もするが…どうだろう…おそらく気のせいだろう。
伝えたい情報が膨大だったのだろうか。
やはり語ろうとしているものは「人間とは何ぞや」という一点に尽きる。
明確な回答が映画の中で出されているかどうかは正直わからない。
だが押井守が考えたSFであり未来であり人間である。ということは読み取れる。
作品が難しく難解なものと思われるだろうが決してそういう作品ではないと思う。
テーマやメッセージが難しいわけではなく、割と語り尽くされた哲学的な疑問符を、
あえて複雑な提示の仕方をしているだけである。
大きな見せ場もカタルシスも無いので、
お酒を飲みながら盛り上がれるような作品では決してない。
だが、たまにはこういう他人の哲学に興味を示すのも面白いし、映画の楽しみの一つではないだろうか。
ノワールではなくハードボイルド
劇場公開当時、号泣した訳だが…。
その時の激情が薄れてしまうのではと、何だか怖くてそれ以来観ていない。
映画評論家の滝本誠さんの
壊れた世界を壊れた人間が彷徨うのがノワール。
壊れないバトーが壊れた世界を彷徨う本作はハードボイルド。
という映画評(確かブロスの特集ページだったと思うのだが…。ちょっと記憶があやふや)を読んで、
何故かまた号泣したのを覚えている。
ここ10年くらいの日本作品(アニメに限らず実写も含めて)で号泣したのはこれだけである。
(当時仕事が忙しすぎて、疲れていただけだったのかもしれないが…。映画はともかく映画評で泣いたのは、もう相当疲れてたからだと思う。)
私にとっては、このイノセンス、ハードボイルドであり、ギリギリとした愛の物語であった。
押井守の集大成
まずはなんといっても映像が凄い。今までも押井作品は常に映像表現の最先端をいっていたけど、今回はまたまた凄い。全編どこを切り取っても、映像だけで酔ってしまいそう。1回目の鑑賞は映像を追いかけるのに精一杯。ただ、映像にこだわったぶん、ストーリーはかなり小さくまとまってしまったような気も。加えて相変わらずの哲学性・作家性がたっぷりで、タイトルでは隠しているけどやっぱり続編モノだから、前作未見の人には相当厳しいのではと……。
驚異的な映像と「人はなぜ自分に似せた人形を作るのか?」という哲学的テーマの融合、そして一応の(?)ストーリー性もあり(ちょっと繰り返しが多い気もしますが)、これまでの押井守の集大成的な味わいもする作品でした。
しかし、このクオリティは何年たっても色あせないでしょうね。個人的に監督のファンなのでめちゃ贔屓な評価ですけれども。
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