「モヤモヤハリー」ハリー・ポッターと炎のゴブレット movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
モヤモヤハリー
原作を読んだのは確か5巻まで。
J.K.ローリングがトリックのミスを発見し書き直して長編となり、さらにそれが訳されるのを今か今かと待ちながら4巻は何度も読み直し、やっと5巻になる頃には高校生くらいになってしまっていて魔法どころではなかった記憶がある。大学生になって社会人近い頃に映画で6を見て、話が繋がった。
なので、4を映画で見るのは初めて。
暗いのよすごく。
クィディッチのワールドカップでスケールを感じて感心して以降すぐに、作中すべて、闇に怯える展開。
立候補もしていないのに、17歳以下なのに、勝手に三校対抗戦の代表になぜか4人目として選ばれてしまうハリー。おかしいって。なぜ「僕の筆跡ではありません」
と言わないのか?一瞬でもハリーが入れたのではと思うのは、節穴すぎるでしょ先生達。
何年もハリーの性格を見てきているのに、先生達には疑われるし、親友ロンにまで誤解されるし、乗り気でないのに対抗試合には出ないといけないし、大ピンチハリー。
ホグワーツ以外の2校は男子校と女子校で、校風も規律もしっかり取れているのに、雑多なホグワーツ。
闇の印が空に上がったりと明らかに闇絡みの異常が起きているのに。「対抗試合は中止しましょう。ハリーを囮にするのですか?!」とマクゴナガル先生も止めているのに、真相をとらえるためにハリーを出場させるスネイプとダンブルドア。
ハリーを守れと命じられた、闇の魔術に対する防衛術の新しい先生、マッドアイなムーディーこそが、魔法司法の規則が全ての四角四面クラウチの息子が化けた姿で、本物のマッドアイムーディーは閉じ込められていただなんて。クラウチの息子がヴォルデモートに忠実なしもべだったなんて。
最後にダンブルドアがハリーに、「危険な目に遭わせてすまなかった」と謝るが、おかしいよホグワーツ!
学校内で、クラウチも、同窓生セドリックディゴリーも、あっさりと亡くなってしまった。
ハーマイオニーの方が先に女の子として思春期に入ったようで、ハリーとロンはなんとなく差し掛かっている頃。女の子の扱い方があまりまだわかっていない。
ハリーはホグワーツへの汽車で見かけた、レイブンクローのチョウチャンが気になっていたが、セドリックディゴリーの彼女だった。
ロンは、なんとなく対抗試合の女子校代表選手フラーを誘うが、逃げ出す。そして、最終手段としてハーマイオニーを誘ってみるが、ハーマイオニーを怒らせ、しかも既に、対抗試合の男子校代表のクラム(冒頭のクィディッチワールドカップの選手でもある)に誘われていた。
そして、ハリーとロンは同じく女の子同士でいつもくっついている、インド系の女子2人を誘うも、ここからが酷い。ハリーはチョウチャンを目で追うし、ロンはハーマイオニーを見て不機嫌。女の子を楽しませようとする気持ちがまるでない。こりゃあかんわ。
ジニーを誘ったネビルは、ダンスもものすごく練習していたというのに。
使ってはいけない呪い(使えば終身刑)
①服従の呪い
闇の魔法使いが使いまくるが、誰が操られてて、誰が自らの意思なのか、魔法省でも判断不可。
服従の呪文にかけられていたという言い訳を当時の闇の魔法使いはするが、嘘だと証明する方法は皆無。
ただし、並大抵の凄まじき精神力で抵抗はできる。
呪いを打ち破れるほどのそんな確固たる、強固な意思、誰なら持ち合わせているのか?
②磔の呪い
③死の呪い
親の愛の守りの効果でハリーにはかからなかった。
のうち②磔の呪いに恐怖の限界を感じたネビルは、両親が磔の呪いをかけられて心神喪失し、祖母に育てられている。作中臆病者として描かれるネビルだが、実はハリーと同じように悲しみを経験して育っている。
そして、闇に対抗する学問として、薬草学で頭角を表している。友達のために勇気を出せるし、素敵な人物だと思う。
そのネビルがヒントをくれたりもして、対抗試合の課題をこなしていくハリー含む代表達。空、水、陸と舞台を変えるトライアスロンのような試合だが、
全員課題の前にチートして、ドラゴンから金の卵を得て、卵に入っている第2の課題もセドリックとハリー以外もチートした様子がある。
金の卵は水中に入れると水の中では聞こえる仕組みだが、ここで無駄に、ハリーが監督生用のお風呂に入る。
ファンが山ほどいるのだろうが、求めていなかったなぁ入浴シーンは。。
水中で人魚についていき、人質を助ける第二課題。ロンやハーマイオニーやフラーの妹まで人質として水中に1時間も。棄権したフラーの妹もそのまま。悪趣味。
陸の課題では巨大迷路で、クラムは服従呪文で操られるし、フラーは迷路に飲み込まれてしまった。
セドリックも飲み込まれそうなところをハリーが救出して、2人で優勝カップを手にするはずが、優勝カップがポートキーで、トムリドルの墓場へ。
ヴォルデモートが命じて躊躇いなくピーターペティグリューが死の呪いをセドリックにかけ、あっさり殺されてしまうし、そこで発狂しそうなところだが、ハリーはヴォルデモート復活のために血を取られるし、ピーターペティグリューに抱っこされている赤ちゃんヴォルデモートは気色悪いし、復活したヴォルデモートは相変わらず宇宙人姿だし、復活の場に駆けつける中にマルフォイの親までいる。
恐ろしすぎる場所で、ヴォルデモートは因縁の相手ハリーをみんなの前でもったいぶって決闘して、手にかけたかった様子。ピーターに命じそうなものだが、変な人。
死の呪いアブダカダブラを放ったヴォルデモートの杖の光と、エクスペリアームズを放ったハリーの杖の光が、ぶつかる。呪文が同時でなければどうなっていたやら。
ヴォルデモートが殺した人物の霊達が杖から逆流して出てきて、セドリックからは亡骸を持ち帰って欲しい、ハリーの両親には走ってポートキーで戻れと言われるハリー。両方を瞬殺で行いどうにか元の世界に、セドリックの遺体と戻れたが。。
今こそタイムターナー使えないのか?!
理由なく失うものが大きすぎた今作。
ヴォルデモートは復活するし、最悪だ。
そもそも課題のヒントをムーディーに化けたクラウチ息子が各生徒にばら撒きハリーの耳に入るようにして、えら昆布まで準備して、全員が対策できている。
全員、事前に聞かなければ課題の準備にすら実力が達していない、おかしな大会。
ただ、ハリー達が成長してきて、1人から友達へ、異性へ、組を超え、国を超え、学校を超えて、価値観を超えて、視野を広げ交流できる機会があるのは素晴らしい。
スネイプはいつも疑いの目を向けてくるが、
かなり人間同士の会話もできるようになってきたのでは?とはいえいつもそこまで嫌われる理由が、ハリー本人の行いではないのだから、ハリーの父親は余程やなやつだった可能性が高い。そう確信した本作。
個人的には、いつもは抑えて整理しているロンの本音が出まくった今作、良かった。兄弟が多いし、ものすごく得意分野があるわけでもなく、友達はハリーで、添え物になってしまいがち。自覚せずとも、ハーマイオニーが他からちやほやされているとものすごく機嫌が悪くなる。今作の中で、思春期真っ只中に突入。
あと少しして抜けた時にどんな人物になるか、楽しみだ。
ハリーも1年通してモヤモヤすることが多かったはず。
ホグワーツ以外行くところがないのが可哀想なのだが、頑張れ。