ハリー・ポッターと炎のゴブレット : インタビュー

2005年11月22日更新

原作ものの映画化が必ずしも成功するとはいえないが、この世界的大ベストセラーの映画化は、原作ファンにも大いに受け入れられている。そんなシリーズを陰ながら支え続けているのが、1作目からプロデューサーを務めるデビット・ヘイマンその人だ。(聞き手:編集部)

デビッド・ヘイマン プロデューサー インタビュー
「我々としてはベストを尽くすしかないんだ」

原作へのリスペクトは人一倍
原作へのリスペクトは人一倍

原作はどんどん長編化しているが、映画は原作の持ち味を壊すことなく、1本ごとに映画にまとめることに成功している。そのポイントをヘイマン氏は「原作に忠実であること」「物語をハリー中心にすること」だと言う。

「確かに4作目は前後編という話も出たけど、『5』も『6』も1本でやるよ。『ハリーの視点』で語ることで、それが可能になるんだ。今回もクィディッチW杯のアイルランド対ブルガリア戦も面白いがハリーには関係ないし、同じくS・P・E・W関連もハーマイオニーの話だからカットした。また今回は初めて(全米でレーティングが)PG-13に指定されたけど、もちろんそうしようとしたわけでも、そうならないようにしたわけでもない。あくまでも原作に忠実に作っただけだ。ファンもハリーと一緒に成長しているし、むしろPG-13にならないような甘い作り方をしたら、ファンに怒られるだろうね」

これまでの映画3本は日本で全て興収100億円を超える偉業を達成しているが、しかし、徐々に成績がダウンしているのも事実だ。

「我々としてはベストを尽くすしか方法はないが、今回の作品で観客層を広げることができるんじゃないかと思ってる。なぜなら、主人公たちが異性を意識しはじめるし、よりダークになっているからね。ティーンエイジャーにむいていると思うんだ。これまでの年上の女性ファンなんかも離したくはないんだけど、一緒に育った10代のファンに焦点があたることで客層も広がっていくと思うから、マーケティングもそちらに焦点をあてているけれど。成績はもちろん右肩上がりにはしたいが、これまででも十分に数字をあげているし、全米のオープニングもいい数字で、楽観的になるつもりはないが、がんばっていると思うよ」

ニューウェル監督の英国人らしさが出た「炎のゴブレット」
ニューウェル監督の英国人らしさが出た「炎のゴブレット」

シリーズは3作目以降、毎回監督を変えることで、作品ごとに微妙な色合いを持たせつつ、これだけの超大作を定期的にリリースしている。本作では初のイギリス人監督であるマイク・ニューウェルを起用したが、次回作「不死鳥の騎士団」では、長編デビューとなるデビット・イェーツが監督だ。

「デビッド・イェーツはいまイギリスでもっとも旬なテレビの監督で、彼が手がけた作品はイギリスのさまざまな賞を総なめにしている。彼はとても賢くて心豊かだし、5作目は政治的色彩も強いので、そうしたものをうまく反映するのに、40代前半という彼の若さが必要じゃないかと思った。それに、マイク・ニューウェルでイギリス人監督もいいなと思ったから、次回もイギリス人にしてみたんだ」

そしてまた、次回作は脚本家も変わる。これまでの4作を書いたスティーブ・クローブスに変わって脚本を担当するのはマイケル・ゴールデンバーグ。

ここまできたら最後までやるしか…
ここまできたら最後までやるしか…

「スティーブもそろそろ一休みしたいということだし、彼自身が監督する作品の脚本を書いているところだからね。実は5作目の脚本を書くマイケル・ゴールデンバーグを私は最初から考えていて、スティーブが休むなら彼にしようと最初にオファーした。ちなみにスティーブは6作目で戻ってくるよ」

変わる、変わらないといえば、ファンにとって気がかりなのは、やはり主演の3人だが?

「もちろん最後までやってくれればありがたいが、彼らはそれぞれ素晴らしい役者だから、別のことをしたいと思えばそれをサポートしたいと思う。また、ひとりでも仕事としてやらなくちゃいけないと思ってやるようになったら、私はそれはいけないと思う。いまのところは非常にエネルギッシュに楽しんでやってくれているので、それが続く限り最後までやっていかれると思うよ」

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