「東西冷戦によるベトナム民族の分断を思い知らされ…」グッドモーニング,ベトナム KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
東西冷戦によるベトナム民族の分断を思い知らされ…
1988年のロードショー鑑賞の後、
一度TVでも観たような記憶もあったが、
NHKBS放送を機に再び鑑賞した。
ベトナム戦争が終結したのが1975年だが、
この作品を経験するまでは先行上映された
「ディア・ハンター 」「地獄の黙示録」
「プラトーン」「フルメタル・ジャケット」
等、数多くのベトナム戦争映画に
接してきてはいた。
それらは概して激しい戦闘シーンを通じて
米軍兵士の心の傷に触れる印象があったが、
この映画は米軍放送世界を舞台にして、
どちらかと言うとベトナム人民の
気持ちに寄り添ったかのような展開が
印象的な作品だ。
ところで、
以前勤めていた会社の関連会社には
ベトナムから来ている職人が多くいて、
「超大国アメリカを戦争で打ち負かした
唯一の国として、御両親世代を誇り高く
思っているでしょうね」と聞いたら、
「私達は米軍と共に北ベトナムと戦った
南ベトナムの子孫です」と言われ、
肝を冷やしたことがあった。
東西冷戦の代理戦争で
分断されたベトナムの皆さんの
厳しい後遺症を思い知らされた瞬間だった。
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