「脚本の緻密さに驚く」グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本の緻密さに驚く
どれほど推敲を重ねたのだろうか。とにかく脚本の緻密さに驚いた。
「幼い頃のトラウマから、心に傷を持つ数学の天才が、自分の人生を肯定的に生きられるようなるまでの物語」というプロットはシンプルかもしれない。
けれど、彼の天才ぶりとハーバード大学という場の設定のリアリティのために、モチーフとして取り上げられる話題の多岐にわたることといったら「ここまで描かなくても」というくらいの気合いの入り方だった。
しかも、それらを「すごいだろう!」で終わりにせず、ショーンの口から「書物による知識では、実際の体験から得られた感動を語れない」とばっさり切り捨てさせ、彼の人格的な歪さまで見事に浮き彫りにする。
観ているこちら側は、見事に敷かれたレールの上を気持ち良く辿りながら、どんどんと登場人物たちのやりとりにハマりこまされていく。
人が人を思うこと。
自信が持てない自分を乗り越える勇気。
本音をぶつけ合う尊さ。
相手をコントロールしようとする愚かさ。
虐待による愛着障害等のラベリングの安易さ。
数えあげればキリがない程、いろんな部分が刺さってくる。
だが、自分が実は一番ハッとしたのは、国防総省にリクルートされた際にウィルが語った、暗号解読の結果がもたらすものについての独白の部分だった。
物語の展開からすれば、あそこまで詳しく資本主義の本質や、世界の不均衡、アメリカ国内の人心コントロールと労使間格差などについて時間を割く必要もないとみる向きもあるだろうが、マット・デイモンからすると、そここそが彼自身の描きたかった(彼自身が信念にしている)公平公正な世界の実現につながる部分だったのだろうと想像する。
マット・デイモンとベン・アフレックの瑞々しい感性に溢れた脚本が本当に素晴らしかった。特に、ラストのベンの笑顔には涙が滲んだ。
そして、やはりロビン・ウィリアムズ!
自分は、もう彼の顔を観るだけでちょっと涙ぐんでしまうくらいなのだが、彼の表情の変化一つで、感情がこちら側に水のように流れこんでくる。
決して大事な所は譲らないが、決して見捨てないという強い意思。
自分も、人と向き合う時には、日々かくありたいものだと思わされた。
あと、自分は、邦題に疑問符をつけてしまうことが多いのだが、この映画に関しては、旅立ちというのは、よいタイトルだったと思う。
いかがですか、食事は美味しいですか?
病室にはWi-Fiは飛んでないんでしょうかねぇ。
重厚な映画ももちろん良いですが、お気楽な「お見舞いのフルーツゼリー」のようなコミック映画もオススメですよ。
「脳内ポイズンベリー」。配信で見られると良いですが。若い頃の真木よう子が主演です。
お大事にー🌸
sow_miyaさん
共感いただきありがとうございます!!
マット・デイモンとベン・アフレックの親友2人はスターになって50歳過ぎた今も大親友。
そしてロビン・ウィリアムズ、、
泣けます😭
sow_miyaさん
共感ありがとうございました。おはようございます。
(ストーリー上は) “脇役"なのだけれど、その存在が余りにも大きいロビン・ウィリアムズ。
そのロビン・ウィリアムズ演じるカウンセラーがウィルに対して掛ける言葉が、そのまま
Good Will Huntingという題名になっているんですよね。
それに気づいたとき、僕はもう一度震えました。
「パッチ・アダムス」でも、そういえば彼はセラピスト役でした。
制作側もアクターたちも、ロビン・ウィリアムズという人間をプライベートでも心底求めているのかもしれない。
朝イチでsow_miyaさんのレビューを読めて嬉しいです。力が湧きました。今週も頑張ります。