「自己肯定の回復」グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
自己肯定の回復
天才であることとその才能を活かす方法を心得ているということは別のことである。
マット・デイモンが演じる主人公のウィルには超人的な記憶力と数学的発想力が備わっている。しかし、その不幸な生い立ちを引き摺り、学問をしようと意志は全く無い。
ボストンの一流大学に集まる秀才たちも頭を抱える難問ですら、当たり前に解けてしまうのだが、彼にしてみればそのことがどのような価値を持っているのかどうでもいいことなのだ。
人間のあらゆる思考活動は、その生きる社会を肯定することによってはじめて意味を持ってくる。そして、社会を肯定できるかどうかは、自己を肯定できるかどうかにかかっている。
ウィルに欠けている自己肯定を、同じような境遇を経てきた精神分析医が辛抱強く、親身に導く。
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