「ずっと悪女」ファム・ファタール(2002) kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ずっと悪女
悪女の顔、淑女の顔という二面性を描いた予告編のイメージじゃなく、全編通して悪女という印象だったかなぁ。
なんと言っても悪女ぶりがすごかった。常に男を罠にかけることを考えていられるのは頭の良い証拠。男性側の意見としては、好きでもない女性に無理矢理誘われ罠にはめられるというストーリーにはいらだちと腹立たしさ(男優に対して)を覚えました。
映画を観終わってからどれだけ余韻に浸れるかというのが、私的評価の良し悪しの基準ですが、その点ではかなり良かったです。もう一度観たい!
エンドロールでの曲がずっと頭に残ってたのですが、帰宅してみるとその曲がラベルのボレロに変わってしまった。坂本さんすごいです。
12年経って再見。時計に気づいたか?と言われたことがずっと気になって・・・
時計が示しているのは午後3時34分(それほど重要じゃない)。ロール(ローミン)は仲間を裏切り逃げ延びた後に、夫と子どもを亡くしたばかりの女性リリーと勘違いされ、彼女の自宅のバスタブの中で眠りこけた間に見ていた夢が映画の本筋。7年後にパパラッチのように大使夫人を撮ってしまったニコラス(バンデラス)がリリーに逆にはめられる展開だ。同じ時間といえば、教会の時計。リリーの子供の7回忌に当たるのだろうか・・・
そうしてバスタブで夢から覚めたロールはリリーを自殺から救い、またもや7年後を迎える。ロールの恋人とも言えるアーミールックのベロニカ(リエ・ラスムッセン)が死ぬはずだったが、逆にトラックにはねられ死んだのは悪党どもの方。しかも、トラックの運転手が本物のリリーがペンダントをあげたために・・・というスカッとするラストだが、運転手は罪にとわれることを考えると可哀そうだ・・・