「departed=はずれもの、死者」ディパーテッド MAPLEさんの映画レビュー(感想・評価)
departed=はずれもの、死者
警察内には、コステロ率いるアイリッシュ系マフィア組織のネズミ(サリバン=マットデイモン)が、コステロ内には警察のネズミ(コスティガン=ディカプリオ)が紛れ込んでいて、自分の組織に潜むネズミが誰なのか混沌としながら、アイリッシュ系対イタリア系マフィアの戦いはそっちのけで、警察対マフィアのせめぎ合いが続いていく。
コステロのネズミサリバンは、警察に紛れ込んだネズミの身でありながら、警察内での自分の出世のためにしか動かず、容赦なく立場を翻したり、コステロ内人間の始末をも厭わない。
最後に一応、サリバンを、警察内の元上司ディグナムが撃ち、クイーナン警部やコスティガン含む警察の敵討ちができてよかった。
↓組織間抗争
○コステロ対コステロ
コステロネズミサリバン>FBIネズミコステロ
コステロネズミサリバン>コステロネズミバーリガン
○コステロ対警察
コステロネズミバーリガン>警察ネズミコスティガン、警察黒人ブラウン
コステロ部下>警察クイーナン
コステロネズミサリバン<元警察ディグナム
○警察対警察
警察ネズミ潜入捜査デラハント<警察
整理してみると、コステロ勢強い。
そして、サリバンとコスティガン以外にもネズミが潜んでいた!それがわかった直後に、自分だけ生き残るため味方のネズミを瞬殺するサリバンが末恐ろしい。
一方、相当荒々しいコスティガンだが結局、マフィアに潜入しても殺しには馴染まず消極的だし、本人は経歴を見込まれて警察ネズミになっただけで一般市民に戻ることを希望しているも、最終的に中身は真の警察官だった。そして、言葉遣いが相当ひどく失礼極まりないディグナムも、最後はクイーナン警部への忠誠心やコスティガン、ブラウン、デラハントの敵討ちをしていて、ギャップが良かった。
劇中で、ディパーテッドという意味が死人の他に、はずれものというニュアンスでも使われていて、ネズミ達にもコステロにもあてはまるぴったりのタイトルだと思った。
サリバンともコスティガンとも通じている女性、マドリンが宿した子供が、おそらくコスティガンの子であるという希望のあるラストだった。