藤本タツキ 17-26 Part-2のレビュー・感想・評価
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全編通して異なる者との相互理解的共存がテーマなのかなあ。
藤本先生が歳を重ねた分、Part-1と比べるとよりしっかりした構成というか…けどまあ20代だとSEXのことばっかめちゃ考えてたわなあ自分も。
『人魚ラプソディ』
海中でのピアノ演奏、冒頭からなんてロマンティックなと思っていたのに、登場した人魚のシジュは思い切り上から目線で人間を見下す感じでしたが、物語が進むに従って秀逸なピアノのメロディも手伝って、甘酸っぱく切ない気持ちにさせられました。人魚の制服っぽいコスチュームがなんとも。。。
『目が覚めたら女の子になっていた病』
また主人公がトシヒデ?設定もありがちでちょっと「しょーもな」って思ってしまいました。壁に掛けたTシャツに鼻血で「SEX」とかSEXが多過ぎなのが青臭くていいかも。ガラケー、プリクラ、ブラウン管テレビ、モー娘。、たまごっち、あやや…あらゆるところに「平成」の時代感を散りばめられていましたが、軟式globeだけは今回ググって初めて知りました。(恥)
『予言のナユタ』
妹の存在が歳を取れば取るほどありがたく思う今日この頃、お兄ちゃんのケンジが優し過ぎて泣けます。
『妹の姉』
設定変えたら『ルックバック』やん(笑)ほっこりできて結果一番好きかもです。
後半も面白かった。
藤本タツキ 17-26 2部構成のPart-2。
「人魚ラプソディ」 ⭐︎4
母が人魚だった中学生のトシヒデは、時々学校を休み海中の人魚が作ったピアノが弾いていた。
ある日突然突然人魚が現れ、驚いたトシヒデは海中で溺れてしまった。
人魚のシジュは、溺れた彼を陸に連れて行き、人工呼吸をして蘇生させた。
助けてくれたお礼にシジュにピアノを教える事になったトシヒデは、頻繁に海に潜りピアノを教えていた。
だいぶ上達したある日、サメに襲われたトシヒデの耳を噛みちぎったシジュは・・・さてどうなる、という話。
海の風景が綺麗だった。
服を着た人魚というのが面白い。血の匂いを嗅ぐと人魚の本性が出て人間を襲う、という設定も面白かった。
ピアノの音色が心地良かった。
人魚のシジュが可愛かった。
「目が覚めたら女の子になってた病」 ⭐︎3.5
ある日突然、朝起きたら女の子になってたトシヒデ。
医者に行って診てもらうと、目が覚めたら女の子になってた病で、治らないと言われた。
学校に行くと、クラスメイトの男子生徒から、SEXさせろ、セフレになろう、と言われ、アキラくんに、人の嫌がる事を言うのはいけない事だ、といって助けてもらった。
その事を彼女のリエの家で話してると、リエの兄のアキラが帰ってきた。
アキラくんがカッコいいと思うようになったとリエに告げると、SEXしようとリエに迫られた。
チ○チン無いから出来ない、とトシヒデが言い、泣きながら家を飛び出したリエを追ってキスした。そんな話。
そんな病気が・・・とは思ったが、病気という発想が素晴らしい。見かけが変われば心も変わるのかもとちょっと思った。
これは、男性、女性、という境界をジェンダーレスの観点から考える深い作品なのかも、と感じた。
性の不一致という問題を聞くことが有るが、こういう病が有ればもっと身近に感じるのかも、とも思った。
シーンとしては妹に殴られた時のアキラくんが面白かった。
体は女の子でも心は男の子になろうと決めリエにキスしたトシヒデの決断をそれもアリかなぁ、と思った。
BGMのモーニング娘。の、恋愛レボリューションがマッチしてた。
「予言のナユタ」 ⭐︎3
ツノを持って生まれた女の子ナユタは、10歳となっても話せずウサギネコを噛みちぎったりと変わった行動をしていた。
周りから魔法使いの悪魔と言われ、世界を滅ぼすと言われていた。父を殺され、生きるため学校も行かず働いていたナユタの兄は妹のことを知られて会社をクビになった。
その後ナユタはクジラウシを大量に殺し、兄はこれからちゃんとナユタを躾けるからと皆んなに謝った。
そんな話。
人魚みたいでもあり、シカクっぽくもあった。
これはなんかイマイチ響かなかった。
「妹の姉」 ⭐︎4
美術高校の江原光子には2歳年下の妹・杏子がいた。
高校1年の杏子は学校のコンテストで最優秀賞を取り、その絵がロビーに飾られる事になった。
その絵とは、姉みつこの裸体を描いた油絵だった。
光子は激怒し、妹に裸になれ、と言ってデッサンしたが上手く描けなかった。
自分は中学1年から油絵を描いてきて、5年以上の経験が有るのに、妹は1年くらいで特待生として同じ高校に入ってきた。
その事に嫉妬した姉は、妹と話をしなくなった。さてどうなる、という話。
妹の才能に嫉妬した姉、という単純な事なんだろうけど、これがなかなか面白かった。
絵は裸体でエロいし、特に妹は可愛かったし。
声優の中嶋瑠奈と中井友望も良かった。
後半の4作も期待通りの面白さだった。
Part-1よりかインパクトは薄かったが、、、
【人魚ラプソディ】
内容は至ってシンプル
人魚と人間の間に生まれた主人公と、
人魚の少女が出会いピアノを通じて分かり合うお話
特に捻った部分はないがアニメ作品といった感じで、
ラフな気持ちで観ることが出来た。
【目が覚めたら女の子になっていた病】
時代を感じさせるテレビ番組と、プリクラと。
モー娘なんかも平成!!を感じさせるどこか懐かしいテイスト。(そりゃあその当時書いた作品だから当然だけども)
こちらも内容は至ってシンプル
現代はLGBTが語られていることもあり、
もし自分に大切な人がいて、自分の性別が変わったら?
相手を思い続けられるのだろうか。
主人公の立場に投射して考えてみると、
個人の価値観について見つめることが出来るんじゃないだろうか
【予言のナユタ】
前2作品と比較するとテイストが随分違う物語
この手のジャンルは好んでは見ないけれど、
葛藤がありながらも悪魔であるナユタを妹として、接する主人公の器たるや。
理解を諦めないその姿勢に学ぶものがある。
現代に置き換えると苦手な相手、変人と言われる人、憧れの人
それぞれに対して送る視線について突き詰めると、
思いもしなかった事が見えてくるのかもしれない。
【妹の姉】
ギャグ要素もありつつオチが何とも爽快感溢れる作品
才能があるにもかかわらず、ふとしたきっかけで燻らせてしまう。妹がいつまでも姉の背中に憧れ、追い続けていたと知った時お姉ちゃんは妹の姉として筆を握る
22-26
Part-1から続けて観たけど、インターバルの時間が勿体ないので一本にしてほしい。
【人魚ラプソディ】★2.0
呼吸の件と一緒に浮かない理由付けもしといて。
声が出せない水中でレッスンとかムリでしょ、運指だけ陸で教えるとかしないと。
息を吐いた瞬間に失神は意味分からんし、人魚が若い女性だけだし、主人公は肉体再生するし…
一番グダグダな上にちょっと気持ち悪かった。
魚の下半身でどうやって子づくりしたんですかね。
【目が覚めたら女の子になっていた病】★2.5
病名が付いてるくらいなのに制度整ってなさすぎだし、昨日まで男だったヤツに即発情する?
民度の低さは、まぁ殴ってくれたからヨシ。
「女としてカッコいいと思った」と言った舌の根も乾かぬうちに「好きなのは君だけ」って…
【予言のナユタ】★3.0
親父殺しの犯人は捕まってるとはいえ、あの情勢の中で赤子のナユタ連れ出して無事なの?
個別でなく「生き物を殺しちゃダメ」と教えなよ。
食べ物を採ってきてたのは予想通りだったし、誰も殺してないとか捕まらないとかご都合主義感強し。
【妹の姉】★4.5
SFファンタジー特殊設定ばかりの中で、唯一リアル寄りの作風。
一番笑えたし、終盤には少しグッときた。
絵の入れ替え時期がおかしいことと、締め方がちょっとモタついたこと以外は短編として完璧。
中島瑠菜も中井友望も違和感なかった。
そういえば、「弟の姉」って歌い手がいたなぁ。
やや独自性が増した反面、迷走してる印象も受けたが…最後にアレ持ってくるのはズルいわ。
よくゴーサイン出たな
以下現時点ではアニメ化されてないチェンソーマン原作マンガのネタバレ含む。
スケジュールの都合で2から観る。
まずこの企画が通ることに驚き。チェンソーマンの映画が好調でルックバックがそれなりにヒットしたからこそだろうが。
まず。藤本タツキの短編が行けるなら「他のあの漫画家の短編もアニメ化してー!鳥山明のまだアニメ化されてないやつとか」と思ってしまった。たぶん、この調子だとそういう感じのジャンプ漫画家短編アニメ化企画はどんどん実現していきそうな気はする。
総じて。結構ちゃんとアニメ化されていて劇場にかけるだけある出来にしたことがすごい。
個人的には『ルックバック』以上の満足感があった。
そもそももうすぐアマプラで配信するよと予告されているのに公開2日目の新宿の映画館はかなり満席に近く前の方の席しか取れなかった事実がやばい。
- 人魚ラプソディ
初見。人魚が人を食う、人も人魚を食うという話が出たのでラストはどっちかがどっちかを食べる展開かな?父親の「夕飯までには帰ってこい」は実際に帰ったら仲良くなった人魚が調理され夕食として出てきましたエンドかな?と思いきやそんなことはなかった。
普通に爽やかに海の底でピアノを弾いて可愛い人魚に囲まれるエンドだった。タツキにしては平和すぎるだろ!
海の底にピアノがあり人間と人魚のハーフである主人公はそのピアノを弾けてピアノの音に人魚が寄ってくる、というシチュ作りはうまいと思った。
あとピアノの曲の気合いの入れようね。
- 目が覚めたら女の子になっていた病
初見。これは藤本タツキのポップな雰囲気を全面に押し出していた。中途半端な感じで終わった気もするがそれも味。初期モー娘。の曲を頻繁に流しており平成のアイテムをそこら中に散りばめて平成感を強調していた。平成の印象って他の曲もあったと思うのだかまあ色々あるのだろう。
- 予言のナユタ
これが一番良かった。なんなら音楽がかなり凝っていた。
この作品が存在することはうっすら知っていたが原作読んでおらず初見。
これ、本当にチェンソーマン2部のナユタの原型なんだな。なんならパワーも入ってる。デンジがパワーと一緒に風呂に入る場面が原作にあるがそれと似た風呂に一緒に入る場面があった。ナユタのキャラ自体もかなりチェンソーマンの方と近い。
ねこうさぎみたいな融合動物もいい。
予言信じるばあさんもばあさんの演説に割り込んでくる政治家もいい味出していた。
- 妹の姉
ラストまで観てそういやこの原作をだいぶ前に読んだことを思い出した。姉のセルフヌードのポーズは見た覚えがある。
よくこれの映像化にゴーサインが出たなと。油絵とはいえ10代のヌードなわけだし妹が姉のヌードモデルをやる場面もある。
「妹は私をずっと見ていたから私のヌードを(想像で)描けたんだ」という気づきからの「でも姉として妹に教えなければならない。私のヌードはこう描くのだ」というラストのセルフヌード作品までの展開はヌードでないとインパクトが出ないしテーマがぼやけるのでこのご時世によくやったと思う。
R18指定になったのも今作(と女の子になったのセックス連呼からの服脱がせ未遂もか)があるからだろう。
これはこれで作り手のこだわりを感じたし面白かったが海外かどこかで無駄に叩かれないか心配ではある。
良作!観た方がいい
個人的に「好きな」藤本タツキ。
パート1の初期と比べて、原作者自身が歳を重ねた分、語るもの描くものが分かりやすくなったのか、4作とも吸い込まれるように見入っていた。
(隣のお姉さんは寝ていたようだけど)
オススメは「妹の姉」。「ルックバック」に似た体温を感じ、原作者の絵についてのコダワリを感じたような気がします。
エンドクレジットに「油絵」としてスタッフが載っていたので(すみません、お名前が「聖」しか覚えられませんでした)実際に姉妹の油絵が描かれたのだと思うと、それだけでも価値が上がる気がします。
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