劇場公開日 2025年12月12日

「どういった知識が求められるのかの相場が微妙な作品。」悪魔祓い株式会社 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 どういった知識が求められるのかの相場が微妙な作品。

2025年12月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年197本目(合計1,738本目/今月(2025年12月度)1本目)。

 作品自体は独立したものですが、主演で出られている方も含めて、そのアクション部分を楽しみにして見に行った方は多いのでは…と思います。

 ただ、いわゆるホラーもので、日本の隣国である韓国は、日本では余り意識されない「キリスト教文化」が普通に見られるため、映画内で扱われている事項(主に悪魔祓い関係に関することがら)が常識扱いされていて、この部分は日本ではオカルト文化扱いで(そもそも、日本では「キリスト教にはカトリックとプロテスタントという大きなくくりがある」くらい以上のことは扱わない)、そこを隣国とはいえ日本から見ると、日本では常識では何でもないので、展開がわかりにくい部分があります。

 ※ また、他の方が多数触れられていた通り「株式会社」といいつつ社員(ここでは、日常用語の意味)が3人しかいないなど、「続編があるの?」とか「どっか見逃してたっけ?」といった状況になるのもやや厳しいでしょうか…。

 なお、映画内で出てくる「イグボ語」という言語は架空の言語ではなく、ナイジェリア、カメルーンあたりで話者がいます。いわゆる大航海時代や植民地時代においては、ヨーロッパ諸国において当時はキリスト教の影響が強かったため、それらの影響を受けた国の言語においては、「言語の大半が教会関係の単語」という言語も存在し(もちろん、イグボ語(イボ語)も、この関係から、日常会話にのみ使用する会話文に特化した会話方言も存在します)、この映画で出てくるそれも実はそのところです(ただ、映画の中ではこの単語しか出てこず、ナイジェリアやカメルーンといった語は一切出てこない)。

 採点に関しては以下まで考慮しています。

 ------------------------------------------
 (減点0.8/視聴にあたってかなりの知識がないと理解に詰まる)

 もっとも、この映画は90分ほどとやや短く(この点は後述)、よくわからない語が出てきても、とりあえずアクションシーンはあるし、よくわからない語もとりあえず無視して前後関係から類推すれば(日本では字幕が漢字交じりになるため、ある程度の推測ができるが、それは漢字文化圏だから、にほかならない)何とかなるというにすぎず、やや見る人を選ぶのかなぁ、という気がします。
 ------------------------------------------

 (減点なし/参考/韓国国内でのこの映画の扱い)

 以前にも書いたことがありますが、国によっては国の文化の保護のため、その国の映画を一定数(割合)流さないといけない、という制度を設けているところがあります。これを「スクリーンクォータ制」といい、韓国もこの制度をとります(1年(365日)の20%は韓国映画を流すルール。なお、他国では、例えばスペインもこの制度があります)。

 韓国国内では(当時一緒に放映されていた競合作品の中でも)3か月ほど放映されていますが、これはこの作品が90分程度と短く、「扱いに便利だった」という事情も一つ絡んでいます。韓国国内の評価サイトでも「内容がわかりづらい」とか、「犯罪都市シリーズは今年はないのか」とかといった評価も見られますが、年々肥大化して、インド映画以外ではほぼみられない3時間級映画が当たり前になりつつ映画において、90分の作品というのは、映画館において「重宝」されて3か月近く放映された事情が国内には存在します。

 ※ 日本では、第二次世界大戦敗戦前まで「映画法」という法律で、同趣旨の「日本映画をこれだけ放映せよ」という趣旨の規定が存在しましたが、GHQの介入でこれらの規定はすべて削除され、戦後まもなくから、日本映画と外国映画の競争にさらされるようになりました。

yukispica
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。