「もっとマブリーの魅力を引き出してほしい」悪魔祓い株式会社 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
もっとマブリーの魅力を引き出してほしい
■ 作品情報
悪魔崇拝カルト集団の台頭により混乱に陥った韓国を舞台にしたホラーアクションエンターテインメント作品。監督・脚本:イム・デヒ。主要キャスト: マ・ドンソク、ソヒョン、イ・デヴィッド、キョン・スジン、チョン・ジソ。企画・原案:マ・ドンソク。製作国: 韓国。
■ ストーリー
強靭な肉体と力を持つ社長のバウ、魅惑のエクソシストであるシャロン、そして情報収集に長けたキムの3人は、「悪魔祓い株式会社」を営み、数々の悪魔憑き事件を解決してきた。ある時、医師のジョンウォンは、何者かに支配され異常行動を繰り返す妹ウンソの悪魔祓いを依頼するため、彼らのもとを訪れる。バウたちは、ウンソを救うため、そして社会の秩序を取り戻すため、ウンソを支配する強大な存在や背後にいる悪魔崇拝カルト集団との壮絶な戦いに身を投じる。
■ 感想
劇場の宣伝パンチキックを見た時から楽しみにしていた本作。パワーとホラーという異色の組み合わせで、これがどのような化学反応を見せるのか、そこにマブリーのコミカルなエッセンスが加わり、かなりおもしろい作品になるのではないかと期待していました。公開2日目に鑑賞してきたのですが、けっこうな客入りで、みなさんも同様に期待していたことが伝わってきます。
映画の冒頭で悪魔に関する解説があり、これが本作の世界観を理解する上でとても役立ちます。見せ場である悪魔祓いの儀式と、それに絡むマブリーのメガトンパンチは、しっかりと尺を割いて描かれており、堪能させてくれます。そういう意味では、観たいものは観せてもらえたという満足感はあります。
個人的にはもっとコメディ要素が強いと予想していたのですが、意外にもガチホラーの雰囲気が強く、その点ではマブリーのもつ唯一無二の魅力が十分に引き出されていなかったように感じます。叩きのめされる相手も三下ばかりで、歯応えがありません。その分、悪魔に取り憑かれたウンソ役のチョン・ジソさんの鬼気迫る演技や、それを祓うシャロン役のソヒョンさんの熱演、そして悪魔祓いの演出自体が際立っていたと思います。
興味深い設定とユニークな世界観、アクションとホラーの融合という点では、まだまだ深掘りできるポテンシャルを秘めていると感じます。しかし、肝心なストーリー展開には物足りなさを覚えます。一人の女性の悪魔祓いの儀式が段階を踏むとはいえ、やや単調に長く続き、正直なところ途中で飽きてしまった部分もあります。
全体としては、期待値が高すぎた分、少々肩透かしを食らった感は否めませんが、今後の続編に繋がる設定や世界観の構築には大きな可能性を感じます。次作があれば、もう少し奥行きのある、飽きさせない展開を期待したいところです。
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