Lilypop

解説・あらすじ

武蔵野美術大学で講師を務めながら独自の方法論で映画制作を続ける青石太郎監督が、実在の美大生たちに着想を得て撮りあげたドラマ。美大生たちの実際の関係性や実生活、制作物をもとに、自由で多感な時期における共生の喜びと困難の物語を描き出す。

美大で写真を専攻するりりかは、近頃は撮りたい被写体を見つけられずにいる。授業では、以前撮影した同居人エナの写真を提出した。現在エナは心の調子を崩し、部屋に引きこもる生活を送っている。りりかとエナの過ごす時間はバラバラで、かつての親密さは失われつつあった。そんなある日、りりかは街を歩くエナの“分身”と出会う。帰宅するとそこにもエナがおり、2人は謎に誘われ夜の街へと繰り出していく。分身をめぐる冒険は新たな出会いと別れを生み、いつしか愛が対立する世界へとたどり着く。遠ざかった人たちの写真やメッセージに囲まれながら、りりかは見失っていた愛を探しに行く。

モデルとなった美大生たちが本人役を演じ、映画撮影のなかで虚実を超えて新たな関係へと進んでいく時間を記録。撮影は数名のスタッフだけで、iPhoneのみを使用して行われた。

2022年製作／103分／日本
劇場公開日：2025年11月22日