ダ・ヴィンチ・コードのレビュー・感想・評価
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The matter is what you believe. トム・ハンクスのダン・ブラウン作品第一作目
当時小説を読んだばかりの時に映画館に観に行って、かなりの物足りなさを感じた覚えがあったのですが、小説の内容も程よく忘れた今観てみると意外と面白かったです。内容の濃さじゃどうしても小説には勝てないにしても、ロン・ハワード監督頑張ってますわ。
三作も作られ今じゃすっかりロバート・ラングドンが似合うようになったトム・ハンクス。初見だと「ロン毛が似合わねーっ」と思ってしまいますが、観ている内にけっこう慣れます。「アメリ」でのキュートな役回りとは売って変わって強い女性な役を演じたオドレイ・トゥトゥ。とても美しく役柄の設定に説得力を感じます。すっかり忘れてましたけどイアン・マッケランも出てたんですね。「ロード・オブ・ザ・リング」後ぐらいでしょうか?今ではアベンジャーズのビジョン役で有名なポール・ベタニー。自分に鞭打ってる姿とか超不気味なキャラでした。ジャン・レノはいつものジャン・レノですね。ある意味安定。
本作はキリスト教での秘密に迫る事で公開当時は物凄く話題になったのですが、日本人の感覚ではイマイチ分かりづらいのも事実です。とりあえずキリスト教の中ではキリストさんが人間扱いされると大変な事なんだな~っと理解しときました。個人的には「別にいいジャンねー」っと思ってしまうので、一生涯理解できる事はないでしょう。真面目な一神教の方にとっては「ネ申」とか軽々しく使っちゃいけないのかもしれませんね。
というわけで宗教感が違っちゃってる日本人にとっては本場の人程楽しむ事は不可能にしろ、それでも十分に観てて面白い良作でした。
ちっとも謎解きは終わっていない
総合:70点
ストーリー: 60
キャスト: 80
演出: 65
ビジュアル: 80
音楽: 65
キリストが神の子なのかただの人間なのか。キリスト教の話なので、多くの日本人にはわかりにくいというか、あまり関心のない話だろう。
映画はややせわしないし強引なところもあるが、豪華で綺麗な映像もありそれなりに楽しめる。キリストとマグダラのマリアの子孫をDNA検査なり何かで確認するためには、その元であるマグダラのマリアの存在がはっきりと確認されなければならない。マグダラのマリアの存在と場所が最後にルーブル美術館の地下にあることが明らかにされて、最後にオードレィがキリストの子孫であるというのもそれでかまわない。
しかしそれはいいとして、物語の主題に決定的な欠陥がある。それは今回の謎解きによってマグダラのマリアが発見されたとしても、それが本物のマグダラのマリアなのかどうかは確認されていないということである。この映画の謎解きでは本物であるとされているだけである。オードレィが地下のマリアの遺体と血縁関係があったとしても、その遺体がマリアではなく偽者である可能性がある。あるいはオードレィはキリストとマリアではなく、マリアと単なるそこらあたりにいた誰かとの子孫なのかもしれない。実際数年前にキリストの死体を包んだ聖骸布が本物か偽物かという議論があり、結局偽物という判定があった。
そう考えると、これだけではキリストの子孫である証拠にはならない。だからここで映画が終わっても、私に言わせればちっとも謎解きは完結していないのである。その意味で最後は拍子抜け。でもその過程はそれほど悪くはない。
公開前はかなり話題になってすごい映画なのかと思ったが、みんなの評価を今見てみると予想よりも全然悪かった。個人的には話題ほど良くもないが、ひどい映画でもなかったというところです。
面白さは、ちょっと抜けているところ
映画「ダ・ヴィンチ・コード」(ロン・ハワード監督)から。
私の興味は、ストーリーより、なぜこんなに大騒ぎするかであったが、
その謎が、自分の中では解けたから、気になる一言にしてみた。
細かいところは妙に細かいのに、驚くほど大ざっぱなところがある。
中には、絶対ありえないでしょ・・という場面設定もしばしば登場。
そのいい加減なところが、かえって読者・鑑賞者の心をくすぐり、
自宅のインターネットで調べてみようっと・・と繋がってしまう。
「ダ・ヴィンチ・コード」で検索したら、みんな自分なりの推理をしていて、
その感想を読む方が、私としては楽しかった。
そのうちにまた新しい「ダ・ヴィンチ・コード」が発見されるに違いない。
その一例。(作者に許可を取ってないけれど・・)
「『宗教象徴学』なるものを専門とするハーヴァード大の教授が、
『フランス語は、からきしだめ』という事は、有り得ない事です。
こんな事ではハーヴァードの教授には絶対になれません」
うんうん、なるほど。その方が「謎」だと、早速メモをした。
原作を読もう!
原作を読んですぐ劇場へ行ったから、本とのギャップで納得のいかない部分も多々あったが、ロン・ハワード監督が如何に試行錯誤して映像化したのか、繰り返し鑑賞することで少しずつ分かってきた。
映画を楽しむために、ぜひ原作を読んでほしい。
キリスト誕生秘話について、歴史、美術史、宗教史が複雑に絡み合い、ダ・ヴィンチが絵画に残したメッセージを契機に衝撃のスキャンダルが明らかになる。宗教の根底を覆すミステリーであり、神とは、教会とは・・・と考えさせられる。結婚式で愛を誓う行為すら疑問に感じるかもしれない。
ラングドン教授の最後の言葉
「(結局は)自分自身が何を信じるか」
神が実在しなくても、信仰は心の中にあるということか。
そして「何を守って生きるかで自分の価値が決まる」
このナレーションも胸に響いた。
キリストだけでなく、我々の存在意義についても言い当てているような気がしたからだ。
こんな奇想天外なストーリーを考え付いたダン・ブラウンは本当に凄い。ついでに彼の他の作品についてもお勧めしたいくらいだが、この作家に出会えて私は何て果報者だろうと思った。
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