「本を読み返すような映画鑑賞になった」ダ・ヴィンチ・コード mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
本を読み返すような映画鑑賞になった
当時流行った映画(原作)というのは知っていたけれど、原作は読んでおらず、敷居が高くて近寄れなかったのですが、たまたま、間違えて、『インフェルノ』を観てしまい(『ザ・インフェルノ』というスリラー映画と間違った…苦笑)、『インフェルノ』はあの、『ダ・ヴィンチ・コード』の2作目だということを知り、1作目の『ダ・ヴィンチ・コード』を慌てて観た次第です。
どこかのレビューで「原作未読でも楽しめる作品」とあったのですが、よそ見はできず、かなり集中力を要求されました。自宅にて観たのですが(動画サイト)、専門用語が多く字幕についていくのが大変で、10回以上、一時停止やら巻き戻しして、メモをとったりで、文字面を確認してストーリーを追うのに必死でした。映画館で観ていたら、かなり最初の部分で置いてけぼりになっていたと思います。原作未読でキリスト教にさほど興味があるわけでもなく、劇場などでサラッと1回観て、「なかなか楽しめた」という方がいたら、尊敬してしまいます。
とはいっても、謎解きのストーリーは次はどうなるかと面白く、最後の晩餐の絵画にあのような秘密が隠されていたとは・・・と感心したりしました。映画で何度も出てくるオプス・デイ(保守的なカトリックの宗派)やシオン修道会(キリストの血脈を守り続けている秘密結社)の存在がどこまで本当であったのか?などにもちょっと興味をそそられました。
オプス・デイの狂信的な信者であるシラス、ポール・ベタニーが不気味で危ないヤツでしたが、実際のオプス・デイは戒律は厳しいものの、恐ろしいカルト団体ではなく、カソリック教会公認の教団らしいです。
それにしても、ルーブル美術館の館長ソニエール(ソフィーの祖父)、冒頭で銃で撃たれ、息絶える前に、胸に五芒星を描き、ダ・ヴィンチの人体図の形になって死んでいったのですが、実際、死ぬ前にそんなことできるか?、という素朴な疑問があります。まあ、そこは物語なのかな…。
映画を観たあと、“「ダ・ヴィンチ・コード」を読み解く”という、同志社大学の神学部の教授の講演をyoutubeで聞いたのですが、映画の謎の部分が見えてきて、ちょっとすっきりしました。