「傑作!!!」シャドウズ・エッジ U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
傑作!!!
最高に面白かった!
久しぶりにホントに久しぶりにこんなにワクワクするアクション映画を見た。
脚本がもう…素晴らしいっ!
オープニングアクトから目が離せない。
何が起こってるんだと暫く戸惑う。粋のいいイケメン達が所狭しと大暴れだ。ホントに縦横無尽。そしてメインの俳優陣は全く出てこない…ようやく出てきた後に"影"と呼ばれる爺さん。彼が計画を俯瞰でみて指示を出してるようだ。
で、
ジャッキーのジの字も出ない内にオープニングアクト終了。終わってみたら、今回の悪役達が只者ではないと痛烈に残る。AIを駆使した最先端の警備網の裏をかき、警察の人海戦術を翻弄しまくる。追跡していた車両が実物ではなく画像だった時の喪失感は最後に気持ち良かった。
現代の科学をもってしても捕えられない犯人を追い詰める為に登場する伝説の刑事。
おっと…そんな肩書きで登場するのか。
「15秒前から再生してくれ」
無数の画像が並ぶモニターを前に、犯人を特定していき、終にはその黒幕である"影"の存在を突き止める。
こちらも只者ではない…。
エレベーターの中から始まる前哨戦というか最終決戦というか…犬頭vs影にどんな幕引きが待ってるのか検討もつかない。ハラハラドキドキ…お互い腹の中の引鉄に指をかけつつ談笑してるようで、針の筵ってこういう状況を言うんだな。この心理戦が半端なく面白い。
そしてこの緊張感の中、不意に放り込まれるハートウォーミングな逸話。果果の額の傷のエピソードは、その前の緊迫感もあって脱力感がエゲツなかった。
やられた。まんまと演出の思う壺にハマってる。
そして影の住居は特定され監視が始まる。
その対応として黄達の身元を調べるのだが、その盗聴の最中実際には黄は襲撃され、監視映像はまたもハッキングされてたりする。
そのやり取りの中、緩衝材を潰す事によって会話がなされてたりする。あの表情はそういう事だったのか。
この台詞のない会話は巧妙なギミックで、もっかいそれらしい描写があるのだけれど、今度は指でテーブルを叩く事で行われているようだった。
表に流れる会話とは別の会話。
陽動に終始したオープニングアクト。
影達がやる行動の裏にどんなストーリーが秘められているのかと頭はフル回転だ。
長男が父親を殺すに至るエピソード。アレはどんな筋書きだったのかと考える。
何手先まで読んでいたのか?
どこがゴールだったのか?
影自体を餌に警察の注意を引きつつ、本部は襲撃される。その襲撃すらも捨て駒で、本部に保管されてる暗号通貨のデータか何かが盗まれる。
長男vs父の死闘は、父が死んだと見せかける為の茶番なのかという可能性も拭いきれずナイフ1本で次々と襲いくる刺客を屠っていく怒涛のアクションが展開される。
結果、とうとう影は捕まる。
ナイフを差し出す影に被るインサート。
そのナイフを取ろうとする女刑事のインサートだ。
いや、待て、まさか…。
そんな事ある?
頭に過る疑念は"潜入"だ。
ここまで用意周到だった影達。最期の隠し玉として、この女刑事も一味なのか!?
ドキドキ、ドキドキ!
…そんな展開はなかった。勝手に推察して勝手にドキドキしてた。もう手玉に取られまくってる!嬉しいっ!
でもどうやらここで終わりじゃない。
どこまでが計画なのだろう?
そして立案してるのは誰で真の目的はどこだ?
キーワードとなる12単語を息子の死とともに手にする影。
分からない。
この親子間にどんな密約が交わされていたのだろうか?
ここで一旦、句読点。
ふー、と息つく暇もなく最終シークエンスが始まる。
ここに来てヒロイン果果のポテンシャルが引き出されていく。もうこの脚本は何本の主流を持ってるんだと思うくらい複合的に絡まっていく。
どれもこれも埋もれる事がなくホントに素晴らしい。
この果果を演じる女優さんも魅力的で…とても真っ直ぐな目をしていて、またどっかで会いたい。
そしてやはりJチェン。
老いた感じは勿論あるのだが、未だブランドは健在だし唯一無二のキャラクターは一切霞んでない。
しっかりアクションしてくれるし、ラス立ちはしっかり持っていく。オープニングアクトとの対比も楽しくガッツリ肉弾戦。流石なのである。
今作では老兵という立ち位置であり、武力は勿論だが頭脳戦をも繰り広げる。コメディ色は若干抑えめではあるが、このタイプのキャラは大ハマりだ。
お約束のエンディングNG集も久々で楽しかった。
アクションがもたらす作品のスピード感も心地良く、大満足で大いに堪能ささてもらった。
70代を超えてもまだ新たな魅力を発揮する。本人も言ってたけどJチェンパワーは凄まじいものがある。
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