ブレイカウェイのレビュー・感想・評価
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2000年のデンマークで大ヒットした異色作
今やデンマークを代表する監督の一人となったアナス・トーマス・イェンセンの初長編監督作。表向きは4人の腐れ縁の中年男が織りなすクライムコメディだが、その実態はどのジャンルにも属せず、型にはめようとすればするほど手にひらからするりと逃げていく。まさに異質。不思議な感触に包まれた人生の再出発ドラマだ。中身にはデンマーク人にしかわからない小ネタや言葉の言い回し、個性的なキャラクター設定、そして原題「点滅する灯」の由来でもあるトーヴェ・ディトレウセンの有名詩のエッセンスが盛りだくさん。かつて各々の事情から家族という共同体を拒絶した主人公らが、いま最良の仲間たちと波乱づくめではあるが「我が家」と呼べる場所をようやく見つけ、築き上げようとする姿がおかしくて、愛おしい。ハリウッドやヨーロッパ映画からも解き放たれ、当時一世を風靡していたトリアー作品とも違う、独自の詩情と斬新かつ突飛な語り口を堪能できる一作。
悪友4人組
最高の4人組ー過去と現在と未来を抱きしめる
「メン&チキン」と同じ楽しみ方ができて大満足!銃器大好き人間でとっても危なっかしいアーニー役のマッツ、いっつもなんか食べていて唯一彼女がいるステファン(ニコライ・リー・コス:「メン&チキン」の相棒!「アダムズ・アップル」のアダムのネオナチ仲間!)、静かでちょっと暗いペーター(「アダムズ・アップル」のアダムも演じているウィルク・トムセン)、そしてリーダー役のトーキッド(セーン・ビルマーク)!年齢も雰囲気もバラバラなのにつるんでいる。少年時代の辛い思い出がバック・フラッシュのようにトーキッドから始まり、あと3人もそれぞれ何かあったんだと観客にわからせ、とてもいいタイミングで見せてくれる。それが、彼らの今と結びついているのがテンポよく表現されていた。それがあるから、色んな悪戯演技、有り得ないシーン、お腹が痛くなる程笑える!がとっても生き生きしていて楽しかった。森の中の猟師と医者もいい味出していた。
またたくランタン
過去にそれぞれトラウマを抱えるやさぐれ4人組が、金を持ち逃げしてバルセロナを目指す話。
チンピラから金を借り、返せないならと外交官の屋敷の金庫からスーツケースを盗んでくるように指示されて巻き起こって行くけれど、ロードムービーかと思いきや、まさかのそんな森の中のオンボロ屋敷で!?
先を考えられないけど道を決めるアホと、ヤク中のアホと、直情型の粗暴なアホと、なんか食べてるただのアホという4人組に、絡んでくるヤツらもやっぱり類友ですね。
結構ハチャメチャな展開に過去の話しを絡めつつ、ザ・腐れ縁の悲しきダメ人間たちが帰る場所ということで、この繋がりに温かさみたいな勘違いをさせてくれる作品で、なんか良くわからない大団円だったけれど、なかなか面白かった。
ところで、全然銃火器に詳しくないけれどAK-47じゃなくね?
で、お味の方は…
マッツの前髪で片目が隠れる姿は色気がある
マッツ・ミケルセン祭りの第一弾として観ました。
この時のマッツ30代!?まじ!?と思った。
地元の悪の元締めみたいなボスに命令されて強盗をし、その時盗んだ大金を持って逃走する男四人。
どんな銃撃戦があるのか…!と思ったら、それぞれトラウマで自分らの居場所がなかった四人が、レストランを開くことで自分たちの居場所をつくる物語だった。
・親のりんごを食べたりしたことで親が自死
・タバコを吸った罰で閉じ込められてる間に父親が病死
・友人に猟銃を撃つよう強要したら別の友人に掠ってしまい、撃った友人は自責の念で自死
・親が一族の繁栄や見栄しか考えておらずに子供らのことを人として見てない
と、四人とも追い詰められていた子供時代。
一夜の雨凌ぎで空き家に入り込んだところそのまま住み着き、でまかせで言ったレストランを本当に開くことにした。
なんやろ…なんで主人公がレストランを本当に開こう!と思ったのか分からなかった。ターニングポイントどこやった?
主人公たちを追いかけてきたボスも急に「俺を仲間外れにする!」と喚いちゃって、え、急に弱々しいやん、と冷静に見てしまった。
あと妊娠した女性がアウェイ過ぎるし空気読めなさ過ぎるしなんだかなぁとなってた。
良かった点は、料理が大して上手な訳でもないけど、自分たちの居場所がいつしか誰かの居場所になるっていうのはほんわかした。
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