落下の王国 4Kデジタルリマスターのレビュー・感想・評価
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魂を救う物語の力
子どものころ、海外の昔話を収めた絵本全集が家にあり、毎晩寝る前にそれを読むのが日常で一番の楽しみだった。「落下の王国」は、そんな物語の原体験を思い出させる作品だ。
撮影での大怪我と恋人との別離に絶望した主人公のロイは、骨折で同じ病院に入院していた少女アレクサンドリアに即興の物語を語って聞かせ、彼女の気をひく。彼女に病院の薬棚からモルヒネを持って来させ、服薬によって自らの命を絶つためだ。
少女の名前からの連想だろうか、アレクサンダー大王についての語りから入ってゆく物語世界の絢爛なビジュアルは、ロイの現実の暗さとは対照的だ。主要な登場人物は現実でアレクサンドラと面識のある人々の顔をしているので、あの壮大な光景は彼女が想像したものだろう。これが本当に素晴らしい。
本作自体、ロイの物語のごとく明確な脚本がなかったため出資者が集まらなかったそうだ。ターセム監督は自己資金を投じて、CMの仕事をしたロケ地で少人数で少しずつ撮るなどしつつ、4年に渡り20か国以上でロケを行なったという。そんなインディペンデントな作品とはとても思えない映像のスケール。
石岡瑛子の衣装が、この物語の世界観を決定づけている。昔の寓話らしい雰囲気があり、それでいてどこか近未来的に見える瞬間もある。エキゾチシズムが漂い、非現実的で、この感覚は異国のおとぎ話の楽しさそのものなのではと思う。タージマハルにもコロッセオにも負けず、壮大な背景を引き立て物語のイメージを牽引する強さは、石岡瑛子ならではだ。
そうした映像のインパクトに負けず劣らず驚いたのが、アレクサンドリアを演じたカティンカ・アンタルーの愛らしさだ。いや、なんだこのかわいさは。こんなかわいい子からお話をせがまれたら、ロイみたいな下心がなくてもいくらでも語ってしまいそうだ。
重要な役どころをあんなに自然に演じていたのに、当時全く演技経験がない5歳の子どもだったというから驚く。パンフレットのプロダクションノートを読むと、監督の演出の妙だなと思った。カティンカが女優としての自意識を持たないうちにアドリブで撮影する、彼女の勘違いも演出に生かす(モルヒネのEを3と勘違いするエピソードは実際のカティンカの勘違いから生まれた)など。是枝裕和並に子役の活かし方が上手い。
ラストの、サイレント映画のスタントシーンのラッシュで流れるナレーションは、撮影から数年経ったカティンカがなんと即興で当てたものだそうだ。いや、すごい。もう1回観たい。
観る前は宣伝のイメージだけで、もろアート系の難解な映画だったら寝てしまうかも、などと思っていたのだが、よい意味で予想を裏切られた。ロイの即興とアレクサンドリアの想像が織りなす美しいおとぎ話、さらにその背景には、絶望に堕ちたひとりの青年の再生の物語があった。
ロイの語る物語が魅力的なのは、その裏に死をこいねがう彼の心があるからだという気がした。足が不自由になった彼は、アレクサンドリアを惹きつけ、言うことを聞かせなければ死ねない。「アラビアンナイト」のシェヘラザードとはある意味真逆の動機だが、死を希求する心が物語に命を宿らせるというのは皮肉めいていて、なんだか切ない。
ところが、アレクサンドリアとやり取りをしながら物語を紡ぐことで、物語の展開もロイ自身の心も変化してゆく。少女の無邪気さに心を開き、悲劇を頑なに拒む彼女の純粋な思いに触れ、彼は生きる力を取り戻すのだ。
ターセム監督は、自身の失恋がきっかけで、20年ほど構想中だった本作の製作に動き始めたという。ロイの失恋は、監督の経験を反映させたものだ。
モノクロ映画のスタントのコラージュシーンは、ロイのスタント俳優としての復活を想像させると同時に、この映画を作ることによって失恋の痛手を癒した監督の心から溢れる映画愛、現代の映像表現の礎となった先人へのリスペクトをも感じさせる。物語の筋と直接関係ない映像なのに何故かぐっときた。
ロイはアレクサンドリアとのやり取りによって紡ぎ出した物語に救われ、「これを作らずには息もできませんでしたし、私は生きていけませんでした」と語るターセム監督は「落下の王国」という物語に救われた。
本作の圧倒的な映像美は、言葉よりもはるかに雄弁に物語の持つ救済の力を語る。この印象と感動は、映画であればこそ。
映像の面白さは現実世界の奇観を凌駕したか
初公開からほぼ20年を経てこれほど評価が上がった映画も珍しいし、4K版のリバイバル上映が連日満席になっているのも素直に凄いことだと思う。石岡瑛子の尖りまくった衣装を筆頭に、再評価されるのも当然ではあるのだが、正直なところ、ちょっと借り物感が強すぎないかという気はする。世界各地の奇観をめぐって撮影された映像の壮麗さが目を引くのはわかるのだが、たまたまそのいくつかに旅行したことがある者として言うと、映像のマジックに見惚れるというより、本当にすごい景色を見つけてきて、そのまま撮影している印象なのだ。もちろんロケーション選びと石岡瑛子要素によって誰も見たことがない映像を作ろうという意図はわかる。ただ「この景色を映画ではこんな風に見せるのか!」という驚きはなくて、しかもほとんどの景色は世界的な観光地であり、例えばクライマックスの城でのバトルの舞台に日本の姫路城とか高野山とかなんなら宮島とか平安神宮とか浅草が選ばれていたら、われわれはどう感じただろうかと思ってしまう。たぶん日本の観光地に石岡瑛子の服を着たアイツらがいればオモロカッコよくて笑ってしまう気がするが、同時にトンチキなエキゾチシズムも感じるのではないか。象徴的なのがバリ島のグヌン・カウィ寺院をバックに儀式としてケチャが行われている場面で、ケチャが持つ文化的な文脈は完全に無視した上でのそのまんまのケチャなので、わあヘンな芸能があって面白い!そのままやってみて!という植民地的見世物精神だと言われてもしょうがないとは思うのだ。考えたらターセムは『ザ・セル』でもダミアン・ハーストの輪切りアートをそのまま再現していて、少なくとも独自のビジョンを持った映像の魔術師というより引用とアレンジの人であり、ときには盗用スレスレなんじゃないかという気がしてくる。少なくともこのやり方はこの20年で世界的に許容されなくなってきており、大なり小なり時代の狭間だったからこそ実現できたアプローチだった。本作は有り体にいって、有名な世界遺産と奇観のパッチワークだ。とはいえ映画表現に引用はつきものだし、あれもこれもダメだと言いたいわけではなく、ただあまりにもターセムのやり口はひねりのない借用なんじゃないかという疑念があるという話。物語的には弱い部分があって、それを映像の凄さと映画愛(これについても思うところはある)で補っているような作品であるだけに、手放しに絶賛はしづらいし、実際映像的な部分での興奮が現実での記憶や体験に勝ることはなかった。と、こう書くともはや「俺はあそこもここも行ってますマウント」と思われることも承知していて、「いや、すごい映画だしすごい映像なのはわかった上で、ターセムという映像作家の本質を考えたいんです」なんだけど、それも言い訳として感じ悪く取られるとは思う。だから一切改行せずに文字を詰め込んで読んでくれる人を限定するような書き方をしています。そこはちょっと腰が引けている自覚はあって申し訳なく思っているのですが、ただこの映画がきっかけになって、見た人の気持ちが映画の中にとどまるよりもさらなる世界へと広がっていったらいいなと心から思っています。
愛しい愛しい優しい映画
何年振り?映画館でまた観ることができて本当に嬉しい。愛しい愛しい優しい映画。
根源的で素朴な映画。そして映画館で鑑賞することの喜びを大いに感じさせてくれる映画。
前はミニシアター上映のみだった(シネスイッチ銀座で観たような。昔すぎて曖昧)と思うけど今回は上映館多いのも嬉しい。武蔵野館はとっても似合うけど、大画面と圧目当てにシネコン系でも観たいナ。
美しい景色を見ると、愛らしい子供の無垢を感じると、人間は勝手に感動する。そういう素朴な仕掛けを散りばめられて、初見ではないのにまんまと私の涙腺は崩壊した。
死にたい男ロイが無垢な女の子の興味を引くために紡ぐ他愛ない御伽話は、彼の精神同様不安定に揺れるけれど、あぁよかったアレクサンドリアちゃんの勝利。そしてアレクサンドリアちゃんの勝利によってロイは再生する。
そしてこの作品は、監督の映画愛に溢れている。一コマ一コマが絵画のような美しい画、終盤のスタントマンの映画にかける情熱や創造性。ストーリーは他愛無いのに圧倒的に美しい画と音楽と映画愛で鑑賞者の魂を揺さぶってくる。
“映画館で鑑賞する映画”を愛する人には刺さるんじゃないかなぁ。
登場人物が全員変てこなのも愛しい。
あぁアレクサンドリアちゃんしか勝たん。
再び映画館で観れて幸福だよ。(≧∀≦)
色とスタイルがすごく良かった!
ロケーション、衣装、色彩全てがとても美しい映画でした。
2人の関係がとても良く、ずっと見ていたかった。
主人公の深い傷を女の子の純粋な気持ちが救っていくのもとてもステキだった。
一瞬ギャグかな?ってところもあったけど、監督色かなと受け入れました。
景色、人、衣装すべてため息が出ちゃうとても良い作品でした。
何とも言えない悲しみと希望が混在
映像の美しさ、物語の力、複層的な物語構造、映画への敬意、——どれをとっても素晴らしかった。
最初は、スタントマンへの敬意と追悼の作品だと思っていた。
だが、最後に病院で映画が上映される場面を見て、少し戸惑いを覚えた。
映画というフィクションの力を信じていることは確かだ。しかし、その背後には死屍累々の悲劇がある。
ロイが穏やかに映画を見つめる姿は祝福なのか、諦念なのか少し困惑してしまう。
その困惑ごと、この作品の素晴らしさだと思う。
映像の美しさ
忘れがたい場面はいくつもある。
特に印象的だったのは、輿から少年、花嫁、司祭が姿を現すシーンだ。
奴隷が引く輿、奴隷が解放され前方方向へと散っていった後、その逆方向から現れる三人の姿は、色彩も美しい。
金の衣の少年、赤い衣の成年、白い衣の老人——人の一生がこぼれ落ちてくるようである。
「赤い成年」が直線から逸れていくのもまた象徴的である。
また、老人は悪から善へと変容するが、この語り手と聞き手がそっと物語へ入り込む瞬間にも驚かされるのだが、心地よい驚きだった。
迫害される移民
アレクサンドラが自分のお腹に蝶を描く場面がある。
この“幻の蝶”は彼女自身の変容の象徴だろう。
お腹は彼女の心と同質で、アメリカーナ・エキゾティカは美しく変容する彼女の姿。
静かな希望を感じさせるシーンだった。
生命のやりとり
アレクサンドラは迫害によって父を失い、幼くして労働に従事し、けがを負う。
それでも、彼女は生きることを肯定し続ける。
その姿は、希死念慮に揺れるロイと対比されるとき、少々うんざりするけれど、やはり美しく映る。
この生と死の葛藤もまた、生命の姿なのだ。
夢のような映像体験は映画館でこそ!!!
2006年に公開された本作が約20年ぶりにリマスター版で公開されるということをYoutubeで知り、映画館で鑑賞させていただきました。
圧倒的な映像美、印象的な演出、魅力的な人物描写にただただ圧倒され続けた120分でした。
まず、映像がもたらす迫力が圧倒的。
ネットの予告でも美しい映像が多く出てきますが、やはり映画館で見ると没入感が段違い。
特に印象的だったのは空想として一番最初に出てくる砂漠。冒頭のモノクロシーン・ロサンゼルスでのシーンからアレクサンドロス大王が彷徨う砂漠の場面に一気に切り替わった瞬間、広大な砂漠のスケールと色彩の鮮やかさに呑み込まれます。
石岡瑛子氏が手掛ける衣装も強烈。
鮮やかで奇抜なデザインの衣装の数々は広大なロケーションの中でもしっかりと存在感を放ち続け、よりこの作品独自の世界観を演出していきます。
映像の魅せ方や切り替わりも斬新。
ゾウが海で泳いだり、蝶の標本や司祭の顔が風景に一瞬で切り替わったり、壮大すぎるロケーションが脈絡もなく突然入れ替わったり、、、見たこともない映像・演出が絶え間なく映し出される其れはまさに“夢の世界”。
こちらの想像を超える映像体験の数々によって、巨大で美しいスケールの世界観に対しても一切の抵抗感なく没入していくことが出来ました。
そして何よりもこの作品にストーリー性をもたらしているのがヒロインのアレクサンドリア。
壮大なスケールが舞台かつ復讐劇がメインという硬派なストーリーの中で、所々入るアレクサンドリアの純粋な指摘や疑問が非常に優しいアクセントになっていますし、自暴自棄になっていたロイ自身の考え方を変えるきっかけ自体も彼女自身の純粋さだったというのが非常に趣深い良いエンディングだと感じました。
映像・演出・衣装・音楽 全てが非常に出来が良い壮大な“ファンタジー叙事詩”であるにも関わらず、どこかハートフルで親しみがあり、観終わった後も多幸感に包まれるという何とも不思議な映像体験をしました。
とにかく大大大満足!文句なしで☆5です!!!
全部がFallだった
映像美が素晴らしく女の子は可愛いのだけど、序盤は設定がコロコロ変わる作り話に少し退屈で、こんなものの為に各国を撮影したのか?と思っていました。笑えてくるくらい美しい。衣装もカラフルで独創的。元奴隷のスタイルが良すぎて、黒山賊に目がいかない。
ロイの作り話がいつの間にか二人の話になり、最後は自殺願望のロイが少女に救われて感動したんですが、終わってみればスタントマンの話でした。ああ、だからあんな激しいアクションがあったのか。どうやって撮影したか分からないものもあるし、本気で骨折したんじゃないかと心配するシーンもありました。遺跡にFallする美しさ。高い建物からFallする美しさ。ロイの精神も少女の屈託のなさも、全部Fallにかけてたのか、と思ったらもう一度観たくなりました。
蛇足ですが、インド人のお母さんとの会話は字幕が欲しかった。嘘をついてるのは分かるけど、何を言ってたんだろう?気になる。
スタントへの愛に溢れた傑作
御伽噺パートは正直退屈。
絶望に打ちひしがれ自ら命を経とうとするロイと、ロイに懐いてしまった少女アレクサンドリアの、希望と絶望のせめぎ合いを、ロイがモルヒネ錠剤を取りに行かせる名目でアレクサンドリアに話して聞かせる御伽噺に合わせて描いていく。
終わりかたがめちゃくちゃ良い。
アレクサンドリアの回想録とともに、バスター・キートンの数々のスタント映像を流し、スタントマンにストレートな感謝を述べる終わりかたがものすごく温かい。
スタントマンへの愛に溢れた傑作だった。
「セル」の世界観が好きなもので
なので「落下の王国」もずっとずっと気にはなっていてやっと鑑賞。「セル」がダークな世界ならば、こちらはちょっぴりファンタジー(私にとっては)。こんな物語だったのですね、場面写真や石岡瑛子さんの衣装ばかりの情報しかなかったので、現実と空想世界の物語が交差していき、最後は主人公達のハッピーエンドでホッとしました。CG無し、大変なこだわりが詰まった美しい作品。ですがCG有りでも構わないのでターセム監督の最高傑作をこれからも期待します。
面白いとかそういうのではない
話は自暴自棄のスタントマンのその場の作り話を軸にしているので、お伽話部分はとんでもなく雑なので、ストーリーは面白くない。作り話なので少し動くと全然違うところにいたり、海の真ん中に象が泳いできて陸まで運んでくれたりする。恋敵の男が黒幕役なんだけど、いる場所が毎回違うし木が爆発して黒人が爆誕したり(体の中で小鳥をたくさん飼っている設定)とにかく、言うとつまらない。入院中の女の子(女の子は男の事を死んだ父と重ねている)との触れ合いでもう一度やる気を取り戻し、最後めっちゃチャップリンの映像が使われてたのであの男はチャップリンだったのかぁ、と思ったら最後あたりのアップの顔が普通にその男だったので、何なの?となった。先に映像美ありきで映画が撮られているようなので、話的にはぜんぜん大した事ないが、映像美だけが好きな人なら良いと思う。
スタントマンは今も昔も命懸け!
映画黎明期🎥に、一世一代のスタントに挑戦し、復帰を危ぶまれる程の大怪我を負い、更に…愛しの彼女まで主演俳優に寝取られて…失意のドン底にいる青年が、
入院先の病院で、同じく入院中(左腕骨折)の5才になる移民少女と偶然知り合い…
自作の御伽噺(冒険活劇)を語る事で、
少女の“もっと物語を知りたい!聴きたい”と云う好奇心や欲求を刺激し、
その対価として……自◯用の睡眠薬なり劇薬💊を薬剤室から盗ませようとする噺。
だから…物語自体は、結構陰険と云うか、、
《純真無垢で幼気な幼子に、何をさせてんねん!ボケぇ》てなもんで。
でも、
聞き手が、想像力豊かで世の穢れを知らぬ純然たる善性を持った幼子故に…
話し手である心が疲弊しきっていた青年も、彼女の優しい気持ちに引っ張られて、紡ぐ四方山話も明るい方へと自然と舵が切られていく。
ただ、、それでも、青年の喪失感や将来への不安、焦燥感を癒やすには、まるで足りないってのが、、何気にリアルだなぁって。
まぁ、、ねぇ、、本来なら縁もゆかりも全く無い…親子ほど歳の離れた赤の他人の子供相手に、
打算アリアリで言葉巧みに、だまくらかそうって躍起になった上での作り話…
その作り話も、要所・要所で、現実とリンクさせているから…
語っていく内に、自分自身で、心の疵に荒塩を擦り込むみたいなことにもなって😫
ただ、それでも…最後の最後は、なんだかんだでハッピーセットで大団円…😅
やっぱり御伽噺なら、たとえ三流の作り話でもラストは子供を笑顔にしなくちゃね。
つか、
コンプライアンスなんて言葉は疎か安全第一なんてスゴい画が撮れるなら二の次三の次だった時代…
今でこそCGなんて便利なモノが有るけれど、何でもかんでも現実にやらなきゃいけなかった時代のスタント…
バスターキートンのスタントなんて、ホント…よくやるよ😮💨命が幾つ有ったって足りゃぁしないだろ!🤣の連続ですもんね。
そんな命知らずの愛しきスタントバカ達の艱難辛苦のお陰で、今日の大アクションが在る😭
本当に有り難いことです。
あっ、、あと、前評判通り、確かにロケーションは、目を見張るモノが有ったと思います。綺麗だったし。
でも、、まぁ、、それだけちゃそれだけつうか、自分は御噺さえ面白ければそれでイイので。
あんましピン📍とはキテないですね🤣
4Kで見られればもっとよかった
ロイの語る冒険物語がどことなく陳腐で支離滅裂なのは、薬物取ってきて欲しさに即興で適当に作ったものだから。しかし、そのしょうもないおとぎ話も、スマホもテレビもない時代の退屈な病院に一人で入院しているアレクサンドリアにとっては、極上のエンターテインメントで、ロイの意図通りに毎日お話の続きをせがみにやって来る。しょうもないおとぎ話が、想像力豊かな彼女の頭の中で再生されると、独創的で目を見張るような映像美となるのだ。想像の中でおとぎ話を演じるのは、病院の職員や看護婦、氷売りのおじさんなど、彼女の身近にいる人々だけど、黒の山賊の役が、早くに亡くなったアレクサンドリアの父親から、最後にはロイになるのは泣けてくる。
それにしても、4Kデジタルリマスターと銘打ってるくせに4Kで上映している映画館が少なすぎだ。近所で4K上映している映画館がなく、やむを得ず2K上映で見た。2006年の最初の上映時と違い、動画配信でも普通にHD画質で見られる昨今、高精細の映像を見慣れているせいか、それほどの感動はなかった。4Kで見てたら宣伝通りの衝撃の映画となったかもしれない。パンフレットによると元々4Kで撮られていた映画だったそうで、もったいない。
土曜日の昼に鑑賞。それほどわかりやすくもない、どちらかというとアート系の映画なのに、ほぼ満席の観客。なんでかと思ったら、NHKの「あさイチ」で紹介されてたそうだ。確かに客層にあさイチを見ていそうな年代の人が多かった。テレビの力はまだまだ強い。映画好きの奥様に連れて来られたと見られる隣の隣の席に座ったおじさんの大いびきが気になった。
重力が引っぱるモノ
スタントマンであるロイは撮影中に橋から落下し、下半身の麻痺という重傷を負ってしまう。そして失恋の最中というのも重なり、思い詰めるあまり自殺を考え始める。
そんな中、同じ病院に入院している五歳の少女アレクサンドリアに出会う。彼女は家の仕事の手伝いをしていた際に、オレンジの木から落ち腕を骨折していた。
自ら動けないロイは、自殺のための薬を調剤室から少女に取って来させるために、オリジナルの「おとぎ話」を聞かせ始める。
ロイの話す「おとぎ話」は復讐がテーマ。
現実と空想、失意と願望、彼の心情が大きく投影されている。
その狂気とも言える心象世界を、13の世界遺産を含む24ヵ国のロケーションと、その絶景に全く怯まない石岡瑛子さんの衣装を纏う6人の戦士達が形創ってゆく。
ずっと気になっていた映画が、劇場で、4Kリマスターで観れるとはね…。
どんなカルト映画かと思って臨んだけれど、全体としてみればギリギリの所でエンターテイメント性も保たれていると感じました。
マイナスだったのは、ちょっとクドイかなと思うシーンがいくつかあった所かな。
ロイもアレクサンドリアも落下し傷を負った。
でも二人の出会いのきっかけも手紙が落下した事からだった。
そしてまたある人物が落下することで、この物語は…。
そう言えば、某アニメーションの有名キャラが、
「重力というヤツは本当に人間の心を地の底に引き込むチカラがあるようだ。」
なんて言ってたコトを思い出しました。
眠りに落下
映像はやたら綺麗だし衣装も凝っているし、とにかくお金がかかっているなと思う。そうそう、米米CLUBとかノエビア化粧品とか90年代エキゾブームってあったよね、と思ったら、バリバリに2000年代の作品であった。作り話の内と外が反転していく後半まで見れば面白い。/冒頭で情報を取り逃すと話が分かりにくくなるタイプの映画で、まんまと冒頭の情報を取り逃がしてなんかちょっと不全感。
評価を上書き↑
この作品は最初の映画公開時に
映画館で観ました。
その時も美しいーーーー😍と大変感動しました。
でもその後記憶の中では
めちゃめちゃ美しいけれど
ストーリーはまあ付け足しみたいなもん
という評価に落ち着いていました。
デジタルリマスター版ももちろん観にきました。
大きめのスクリーンで堪能しました。
やっぱり綺麗。
石岡瑛子の衣装も最高です。
石岡瑛子展に行きたかったなあ😢
ダーウィンのコスチュームが好き。
暑すぎるのか赤い毛皮脱ぎがちですけど。
中のズボン吊りも可愛い。
それにつけても
若きリー・ペイスの美しさよ(声もいいよね)
そして
ストーリーもちゃんと面白いことに驚きました。
全然退屈しなかった。
ずっと引き込まれっぱなしで、テンポもいい。
前回はアレクサンドリアのパパの存在や
Google爺さんの存在がよくわからなかったのですが
20年近く経ってこちらの解読力も上がっていたということかな。
アレキサンドリアとロイの人生が一瞬の交差の後、
2度と交わらない潔さがものすごく好きです。
こんな良いラストだったか!
ということで
自分の中での評価はかなりアップしました。
自分の中のベストテンに入れても良いくらいです。
Blu-ray出るといいなあ。
これはセカイ系だよね?
「僕と君」の関係性だけで世界の危機と救済を描くというフレームワークを備えているという点で、この作品は明らかにセカイ系の純度を極限まで上げたものだと思うが、誰も指摘してないのかな?
どうみてもエヴァンゲリオンでした。
本当にありがとうございました。
Fall (in sleep)
映画愛に溢れた作品、みたいに最後にロイドやチャップリンの映像を観せられて、あぁスタントマンの話しだったなと思ったくらい、映画愛に溢れたストーリーの映画ではなかった。
これが映画愛に溢れたワクワクするようなストーリーで、女の子がかわいくて、ほかの俳優さんたちも魅力的だったら、万人受けする傑作になってだろうなぁ。
ストーリーが良くて、俳優が魅力的で、その上映像が美しかったら文句なし。
映像が美しくても、ストーリーや俳優がよくなかったらつまんない。
映像はきれいでまるで写真集を見ているみたい。
泣かされた
途中まで面白さがよく分からなくて、
終わっても悲しい話でもう一回観たいかと言われると微妙
でも二人の最後のシーンは泣かされたし(あの子上手すぎる!)
ラストは無声映画時代のスタントマンという職業に思いを馳せ…
映画制作に体を張ってきた先人達が確かに居て、その先に今の映画があるんだ、という製作陣の映画愛を勝手に感じて泣けちゃった
個人的に鑑賞後はニューシネマパラダイス的なエモさを感じました
自分には合わなかった。
面白くはなかったし、感動するしない以前に、よく分からなかった。
主役級の女の子の演技が可愛かったとか、ベートーヴェンのBGMや、ケチャックダンスを初めて見られて、部分的には印象に残った。
ストーリーは優秀なライターのコメントを見て、鑑賞後に理解はできた。
何が合わなかったのか。それは、作品の中心となる劇中の空想話のストーリーが唐突で支離滅裂な感じです。
空想話の登場人物が関わった人たちということですが、それぞれの出自も含めて何故そうなるのか分からなかったし、旅の目的も、達成したのかもよく分からないし、主人公が憎んでいたにしても、何故あそこまで凄惨な目に遭わなければならなかったのかも分からなかった。
身も蓋もないけど、分からないだらけの空想話を良くしました(マシにしました)、だから希望のある話、感動的な話なんですというのは分かるけど、その目的のための手段(つまり作品全体)が全く面白くなかった(合わなかった)。残念ながらそういう感想に至りました。
物語の筋、因果、動機を重視して鑑賞するタイプの人、深い解釈を要求されるのが苦手なタイプの人には、ちょっと厳しいかなと思います。
ブツ切り
映像美に惹かれBunkamuraル・シネマへ。世界遺産や砂漠を夢パートでブツ切りに見せる。美術も素晴らしくスケールがデカい!
ストーリーは大の苦手なライフ・イズ・ビューティフルみたいで子供絡みでサイレント映画時代のハリウッドが舞台だけど病棟のみで主人公の夢話でストーリーが変わるのでカタルシスは無し。
結局、主人公は歩けないままだったのか…。
世界遺産と映像美だけでストーリーには全く乗れずに終了。
全29件中、1~20件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。







