「タイトルなし(ネタバレ)」落下の王国 4Kデジタルリマスター りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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20世紀初め、映画はモノクロ・サイレントの時代。
スタントマンのロイ(リー・ペイス)は、端から飛び降りるスタントで大怪我を負い、ベッドに横たわっていた。
下半身は動かない。
恋人も主演俳優に奪われ、自暴自棄になっていた。
彼のもとを訪れたのは、オレンジ収穫の際に落下して鎖骨を骨折した5才の少女アレクサンドリア(カティンカ・アンタルー)。
アレクサンドリアに請われるまま、ロイは物語を語りだす。
それは、王への復讐を誓った者たちの物語だった・・・
といったところからはじまる物語。
初公開は2008年。
まだまだ仕事が忙しかった頃。
ターセムの前作『ザ・セル』はそこそこ面白かったが、本作はストーリーがなさそうで、そそられなかった。
今回鑑賞したら、予想外に豊潤な物語があった。
ロイの語る物語は次から次へを場所を移動しながら進んでいく。
それは、少女の願いを取り入れているから。
この「物語の変容」が映画のアクセントとなり、絵巻物・紙芝居的な構成から一段、映画を進化させている。
世界各地でのロケは、文字どおり息をのむほど。
カットの繋ぎごとに変化していく後半は、驚嘆するしかない。
とはいえ、本作、初公開時に鑑賞していたならば、これほどの感銘を得たかどうか。
観る側に余裕がないと楽しめない作品のようにも思えるし、CG全盛の時代であることも大きいかも。
現在の年齢、時代になってから観てよかったなぁと感じた次第。
アレクサンドリアが長じてから数々の映画を観、その中にロイを見出す(実際には、いないのだが)のエピローグが泣かせます。
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