「胃もたれするほど圧倒的世界観」落下の王国 4Kデジタルリマスター ショタコン腐女子OLさんの映画レビュー(感想・評価)
胃もたれするほど圧倒的世界観
これは…独特だね。
独特の世界観だし…見てる側の空間も独特の空気感になるね笑
本当に2006年公開の映画なの…?もっと前の映画の雰囲気を感じる…独特すぎて。
※見損じていたり記憶違いや的外れな解釈などあるかもしれないですがご容赦を!
現実とロイの語る物語の世界を行き来しながら進むストーリーは後半になるにつれ現実のロイとアレクサンドリアの存在が物語に干渉するようになる。
だからといって物語と現実の境が曖昧になって不思議の国的な展開になるというようなことはなく、二人の語り部と聞き手というアイデンティティが崩れることは最後までないし、狂人にもならない。
あくまであの圧倒的な映像美の数々はロイの語る物語を映像化したものであって非現実。
二人が実際に見ている景色ではない。
そこがミソだなと思いました。
この映画の見所は間違いなくロイの語るあの非現実世界だろうと思う。
色彩、構図の面で完璧と思えるような超センスのカットが山ほどあった。
どこを切り取ってもきっと画になる。
シュルレアリスムとか印象派の絵画を見てるみたいな…。
1つのカットでグッっっとこの世界に呑まれるようなハイセンスな画面構成で美術的に見応えがある映画だと思う。
でも核は目が行きがちな物語の世界じゃなくて、現実でのロイとアレクサンドリアの心の交流だと思う。
ずっと物語の世界と二人が交流する現実でのシーンは画面の色彩や音楽の面で明確に分けて描かれてた。
物語の佳境では二人の存在が登場人物の一部になって境が曖昧になったように思えるんだけど、そうじゃなく物語の世界と現実の世界の描写の仕方は最後まで変わらない。
二人が現実と非現実を見失った、または同一視しているわけではないということ。
ロイがアレクサンドリアに物語を語っているというシチュエーションは揺るぎなくて、二人は二人で紡ぐ物語が"物語"だって理解してる。
だからこそ、なのかなあ…。
物語だからこそ、非現実の物語だという前提があるからこそ、ロイは黒山賊という自分を投影した物語の登場人物の言葉としてアレクサンドリアが投影された山賊の娘に弱った本心を吐いたのかなあ…。
ロイはアレクサンドリアに自分はこの物語をハッピーエンドに出来ないから続きは別の人に話してもらえ、みたいに言っていたよね…。
アレクサンドリアはそれに対して二人の物語でしょ!って言っていたような…。
本当は幼い子供に仄暗い感情を内面に抱えてる自分が作った物語なんて聞かせて良いものじゃないと思っていたんじゃないかな。実際に登場人物を次々に退場させてしまったし…。
でもそんな弱気になった大人なロイのしょぼくれた想いをアレクサンドリアは物語の続きを聞かせて!一緒にいたい!大好きなの!って純粋で真っ直ぐな想いでぶっ飛ばした。
ずっと良くない方向を向いてたロイの心だったけど、アレクサンドリアの純粋でただただ真っ直ぐな心がロイの心を良い方向に振り向かせた。
私はネガティブなストーリーは苦手だから。
この映画には始まりから終わりまでタイトルにあるように何かしら"落下"するシーンが随所に挟まれる事と同時に、ずっとうっすらと陰鬱な雰囲気が漂ってた。
それで正直嫌な予感もしたけれど。
ストーリーが一転二転して最後にはああ〜見て良かったなあ〜ってその予感が外れるような解釈が出来るラストを迎えたことに安心したし、クライマックスのロイとアレクサンドリアが本心をぶつけ合うシーンで思わず涙が溢れました。
泣く映画やったんや…(白目)
めっちゃ良い映画だったんじゃ…?
ド直球女児に根負けしてもう一回生きてみる男の映画って言われたら元気出るよ。
アレクサンドリア役の子役ちゃんもめちゃくちゃ芝居上手くないですか?
ほっぺたふくふくしてて笑顔も可愛いしさあ…!
ロイの語る物語の登場人物も面白いし…衣装とかもまじオシャレ…!!
ちょっと一回じゃ全部を見切れないんですけど…!!!!!
えー!!この映画の円盤が廃盤だなんてウソでしょ?!!!
あんまりだよ…!
もう一回見たい…!!
ポップコーン食べ過ぎて胃もたれしながら見たからもう一回見たい…!!笑
円盤はBlu-rayで再販お願いします…!!!
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