「4Kで見られればもっとよかった」落下の王国 4Kデジタルリマスター jfs2019さんの映画レビュー(感想・評価)
4Kで見られればもっとよかった
ロイの語る冒険物語がどことなく陳腐で支離滅裂なのは、薬物取ってきて欲しさに即興で適当に作ったものだから。しかし、そのしょうもないおとぎ話も、スマホもテレビもない時代の退屈な病院に一人で入院しているアレクサンドリアにとっては、極上のエンターテインメントで、ロイの意図通りに毎日お話の続きをせがみにやって来る。しょうもないおとぎ話が、想像力豊かな彼女の頭の中で再生されると、独創的で目を見張るような映像美となるのだ。想像の中でおとぎ話を演じるのは、病院の職員や看護婦、氷売りのおじさんなど、彼女の身近にいる人々だけど、黒の山賊の役が、早くに亡くなったアレクサンドリアの父親から、最後にはロイになるのは泣けてくる。
それにしても、4Kデジタルリマスターと銘打ってるくせに4Kで上映している映画館が少なすぎだ。近所で4K上映している映画館がなく、やむを得ず2K上映で見た。2006年の最初の上映時と違い、動画配信でも普通にHD画質で見られる昨今、高精細の映像を見慣れているせいか、それほどの感動はなかった。4Kで見てたら宣伝通りの衝撃の映画となったかもしれない。パンフレットによると元々4Kで撮られていた映画だったそうで、もったいない。
土曜日の昼に鑑賞。それほどわかりやすくもない、どちらかというとアート系の映画なのに、ほぼ満席の観客。なんでかと思ったら、NHKの「あさイチ」で紹介されてたそうだ。確かに客層にあさイチを見ていそうな年代の人が多かった。テレビの力はまだまだ強い。映画好きの奥様に連れて来られたと見られる隣の隣の席に座ったおじさんの大いびきが気になった。
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